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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
507/1583

7-150 笑ってください


ず地の神、三柱みはしら耶万社やまのやしろを囲み、闇から神とマノを剥がす。続いて使わしめ、蛇三匹。神からマノを剥がし、備える。


時を同じくして、中つ国。おにときと人の世から、大貝山の統べる地を囲み、御力を放たれる。九柱の御力が合わさり、渦を巻きながら天に伸びる。



大祓おおはらえの儀は三日三晩、続く。神も使わしめも命懸け。数多あまたの思いが一つになって、あまつ国と根の国へ。


天つ国、中つ国、根の国。三つが繋がり、大いなる柱となるのだ。一柱ひとはしらでも逃げ出せば、天も地も無くなる。



高天原の天つ神、根の国のまがつ神。中つ国の隠神、国つ神。万が一に備え、整え為さる。


天つ神は、天照大御神あまてらすおおみかみやしろ。禍つ神は、伊弉冉尊いざなみのみことの社。中つ国、隠神は和山社なぎやまのやしろ。国つ神は、迷いの森で。






「グゥワァァァ!」


耶万神やまのかみが御叫び遊ばす。


「お、気を、確か、にぃ・・・・・・。」


幾ら闇に強くても、隠でも、マノにはつらい。



大祓の儀が始まった。そうに違いない。耶万神、良ぉ御座いましたね。三日三晩。耐える事が出来れば、助かります。


どうか、どうか御願いです。私の事は御気に為さらず、儀の事に御力を。耶万神を御救いください。



「ア゛ァァァァァァ!」



キツク巻き付いていたマノが力尽き、スルスルと離れた。トサッと落ちて直ぐ。神を蝕んでいた闇が、ブワッと光の柱へ。



「マノォォ。」



長い間、ありがとうございました。そろそろ、御暇おいとまします。お世話に、なりました。・・・・・・さようなら。



「マノォォォ。」



笑ってください。耶万神の優しい笑みが、大好きです。私は隠。闇に堕ちても戻れます。いつか、また会える。そう信じて、笑ってください。






あや永良部えらぶいつが力を合わせ、マノを引き摺り出した。ココからは蛇の戦い。


大祓の儀は、神の御為おんため。大いなる柱の中では、隠も妖怪も異なるモノ。ほんの少しでも気を抜けば、闇と共に清められる。



「マノさま、起きて。」


「気を確かに。」


「諦めないで。」



・・・・・・。



「神を残して、闇堕ちですか。」


「それでも、使わしめですか。」


「聞こえて、いるのでしょう。」



・・・・・・こ、の、声は・・・・・・。



「さぁ、目を開けて。」


「戦うのです。」


「逃がしませんよ。」



・・・・・・み、な、さん・・・・・・。



マノの体から、ジワジワ色が抜けてゆく。薄くかれるような、刺すような痛みがマノを襲う。


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