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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
505/1586

7-148 耶万の闇、浄化プロジェクト会議


耶万やま。酷いコトに。」


津久間神つくまのかみ


「御隠れ為さったか?」


具志古神ぐしこのかみ


「闇堕ちは、まだ。」


海神わだつみのかみ



大貝山の統べる地は、闇に染まった。


大貝神おおかいのかみは闇を閉じ込めるため、やしろを離れられない。よって三柱。流山のおにときに集い、話し合い為さる。



「困った。」


まことに。」


「保つにも、そろそろ。」



大貝神、具志古神、津久間神は直日神なおびのかみ耶万神やまのかみ禍津日神まがつひのかみ耶万社やまのやしろから溢れた闇は、禍禍まがまがしい。


大貝神が御力をふるわれ、保つ。東に具志古、西に津久間、南に海。囲んで放てば、根の国の闇が絡まっていても、清められる。


・・・・・・ハズである。



「大貝神は、土の神。」


「闇やわざわいを、嫌って御出でだ。」


「我らとて、同じ。」



直日神は罪悪・禍害かがいを、改め直す神で在らせられる。禍津日神は災害・凶事・汚穢おわいの神で在らせられる。


伊弉諾尊いざなぎのみこと阿波岐原あわきのはらみそぎの時、生まれ出られた。



海は広く、繋がっている。多くの神が、海から生まれ出られた。このたび大祓おおはらえ、海神の御力に縋るより他ない。



「隠神は、隠の世から。」


「国つ神は、人の世から。」


「中つ国より、闇を清める。」






隠の世、和山社なぎやまのやしろ。蛇神のおおせに従い、集う三柱みはしら。鳶神、梟神、亀神。揃ってゲッソリ。


流れ込む闇は日に日に濃く深く、幾ら閉じてもジワジワ、押し寄せるのだ。



隠の世は広い。多くの隠神が治め、清め為さる。困った事に、この度の闇は深すぎた。



「皆、暫し休まれよ。」


蛇神の仰せに三柱、涙目。


和山なぎやまの御力により、身も心も癒されました。」


一山いちのやまより、鳶神。


「この御山は、いつも清らで美しい。」


流山より、梟神。


「早う清め、戻しましょう。」


海原わたのはらより、亀神。



隠の世は、はじまりの隠神で在らせられる蛇神により、常に清められる。どんなに深くて濃い闇が流れ込んでも、隠の世が闇に飲まれる事は無い。



蛇神のめぐし子は清めと守り、二つの強い力を生まれ持つ。良村よいむらに引き取られ、幸せに暮らしている。


愛し子の幸せは、隠神の幸せ。よって隠の世は、清らで安らか。






「サッサと。」


「サッパリ。」


「清めましょう。」



耶万を清めるため早稲神わさのかみ殺神あやかみ風見社かぜみのやしろに御出で遊ばす。三柱の思いは一つ。少しでも早く、大祓を!



「耶万社を囲み。」


「心を合わせ。」


「祓い清める。」



言うのは容易い、行うのは難しい。けれど諦めない。


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