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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
497/1584

7-140 ニョロッと大集合


ニョォロ、ニョロニョロ。ニョロニョロリン。ニョロロン、シュルリ。ニョロリンコ。ニョロニョロ、ニョロロン、ニョロニョロリ。



和山社なぎやまのやしろにて、蛇の集まりが開かれる。


やまと全土からニョロッと集まった、蛇の使わしめ。その数、ザッと一万。行儀よく蜷局とぐろを巻き、おしゃべり。



蛇好きにはタマラナイ! この催し。主宰蛇は海布みめ


殺神あやかみの使わしめ。なのに、人に興味ナシ。『滅んでしまえ』とさえ、思っています。生けにえに、されましたから。






「みなさん、こんばんは。おにの蛇、海布です。」


ニョロッ、ポンッ。人の姿に化け、拍手。


「御存じとは思いますが、耶万やまが闇に飲まれました。」


シュルッ。


「マノは私と同じ、隠の蛇です。少し歪んでいますが、使わしめである事に、誇りを持っています。」



耶万が闇に。その時、海布は思った。『助けたい』と。なぜだか分からない。けれど心から、そう思った。



「耶万を清めるには、三柱。大貝山の統べる地を清めるには、三柱。」



大貝神おおかいのかみは大貝山で、統べる地を押さえ為さる。よって津久間神つくまのかみ具志古神ぐしこのかみ海神わだつかみが御力を。


隠のときからは鳶神、梟神、亀神が御力を。耶万を清めるため風見神かぜみのかみ早稲神わさのかみ殺神あやかみが御力を。



中つ国。隠の世、三柱。人の世、六柱。耶万と大貝の地を清め、守るために御力をふるい為さる。



神神かみがみが御力を揮われる事で、耶万神やまのかみきよらに。しかしマノは、闇に囚われたまま。」



耶万から溢れた闇には、根の国の闇が。救うには、使わしめの力が三つ。


殺神が御力を揮われる間、やしろを離れられません。なので私には、加わる事が・・・・・・。


『何を』と、思われるでしょう。けれど、どうにも為らぬのです。



「皆さま。どうか御力を。」






「海布さま。少し、宜しいか。」


万十神まとのかみの使わしめ、いつが問う。


「はい。」


「もし。その時は、どう為さる。」



根の国の闇は深く、濃い。清められなければ、闇に飲まれる。使わしめが闇堕ちすれば、神までも。


マノさまの事は、気の毒に思う。だからと言って、力添えしようとは・・・・・・。



「神の御為おんためならば、どのような事でも。わざわいもたらすような事は、決して受け入れられません。」



耶万神は、隠神で在らせられる。マノさまも隠。隠は何があっても隠。耶万神は闇堕ち為さっても、妖怪に御成り遊ばすだけ。社から離れる事になっても、共に。


時は掛かるでしょう。けれどマノさまなら、どんな事になっても戻られる。






「そうでしょうね。けれど私は、力を尽くしましょう。」


儺火神なびのかみの使わしめ、あや


「私も、力を尽くしましょう。」


岸多神きしたのかみの使わしめ、永良部えらぶ


「では、私も。けれど朱さま、宜しいのか。」


斎が、控えめに尋ねた。


「はい。儺火神より、御許し頂きました。」


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