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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
492/1582

7-135 良く描けてるなぁ


妖狐は強い。イザとなれば、狐火で焼き尽くす。そうなる前に、離れようっと。



ヲォォ。 ボッ!


ガァァ。 ボッ!


ヴゥゥ。 ボッ!



妖狐の炎は三つ。青い炎は全てを、白い炎は動かないモノを。青と白の炎は、動くモノを焼き尽くす。






やしろを包んでいた光が消え、耶万やまの人は逃げた。継ぐ子に諭され、飛び出した。残ったのは、聞き入れなかった人たち。


耶万に残った人の多くが、妖怪に殺された。おにとなり食われた。どういうワケか、食われても消えない。隠のまま、繰り返し妖怪に食われる。



二妖が放ったのは、青と白の炎。消えず、食われ続けた隠。望んで妖怪になった隠など。外で動いていた全て、焼かれて消えた。






「何だ、こりゃ。」


加津のミカ。噴き出岩から川沿いを進み、つるばみ大木おおきが見える辺りで死亡。隠となり、加津では無く耶万に戻った。


「どうなっている。」


大石のクベ。夜鳴泉よなきいずみから撤退中、ミカと合流するため、舟を飛び降りた。噴き出岩を目指すも力尽き、熊に食われて死亡。隠となり、大石では無く耶万に戻った。




頭から角を生やした人が、ウジャウジャしている。隠を捕まえては食らい、食らい、食らい。


あの姿、つわものだ。しづめ西国にしくにか、真中まなか七国ななくにか。どうでもイイ。けどアレ、人か?




「なぁ、クベ。あの炎・・・・・・。」


「人と隠だけ焼いてる。みたい、ですね。」


見合って頷く。


「暫く、ここから。」


「そうしましょう。」



下に降りれば、あの炎で焼かれる。焼き尽くされ、骨も残らない。オレは、オレたちには、遣り残した事が有る。耶万を、ヤツらを殺す!






一山いちのやまには、妖怪の墓場が無い。墓場が無ければ、隠のときに入れない。保ち隠が居ないから。


黙って入れば、良くて根の国送り。悪ければ・・・・・・。よって、許し札が要る。



このたび嫌呂きろろ悪鬼おきに貸し出されたのは、『蛇神の使い』にしか扱えない札。落として失わないように、首から下げている。



特命なので、根回しバッチリ。お使い蛇により、面倒な『入山手続き』済。狐の妖相書、良く描けてるなぁ。




「流山で暮らす、良い妖怪。嫌呂です。」


「同じく。良い妖怪、悪鬼です。」


許し札を示し、ゼイゼイ。二妖ともボロボロ。



おので『良い妖怪』と言うのは、悪い妖怪であるあかし。で、あるコトが多い。


・・・・・・ジィィ。




「蛇神のおおせに従い、耶万を調べ、戻りました。」


息を整え、申し上げる嫌呂。


「鳶神に急ぎ、取次ぎを。」


悪鬼が申し上げ、深深ふかぶかと頭を下げる。



「暫し、お待ちを。」


使い隠。鳶の一羽が、スッと消えた。


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