7-127 おかしいオカシイおかしいゾ
ええい、忌忌しい。西国も七国も、そんなに耶万が欲しいのか。腐るほど送り込みやがって。
耶万に残る兵は少ない。北へ送った兵が、新たな兵を連れ帰る筈だった。なのに、誰も戻らない。
風見から聞いた話では、戦好きが多い。少し突けば、ガラガラ壊れる。冬に戦を仕掛け、戦う力が残って無い。確かに、そう聞いた。
騙されたのか? それは無い。
風見は賢い。耶万と戦になれば、滅ぼされると知っている。早稲と組んだが、耶万に牙を剥く事は無い。だから仕掛けない。
「戻せ。」
・・・・・・?
「戻せ! 北へ送った兵を、今直ぐ戻せぇぇぇ。」
「はっ、ハイ。」
耶万の臣たちが、慌てふためく。
幾ら送っても戻らない兵に、耶万の夢を多く持たせた。残りは少ない。風見から届く筈だった毒が、全く届かない。出した使いも、一人も戻らない。
見えない何かに妨げられ、遠くへ行けない。やっと気付いた時、多くの兵が押し寄せた。戦が始まった。
搔き集めた兵を向かわせ、何とか凌いでいる。しかし続かない。いつ崩れても、おかしく無い。
耶万社へ走った。風見にも早稲にも、社が在る。社を通して、話を付けようとした。しかし叶わない。
耶万で見えるのは社の司、一人だけ。見えるだけで、聞こえない話せない。巫にも覡にも、見えない聞こえない。よって話せない。
イライラが募り、当たり散らす。
耶万で暮らす人は皆、同じ。イライラ、ギスギス。アッチでもコッチでも大騒ぎ。目が合った、肩がブツカッタ。それが何だ、それくらい何だ。
嬰児や幼子が死ぬのは、いつもの事。年寄りが死ぬのは、当たり前。若者が死ぬのはオカシイ。なぜ死んだ?
言い争って死んだ。言い負かされて死んだ。殺されるか、殺すかの違い。・・・・・・どう考えてもオカシイ。何が起こっている。
耶万の人は、血の気が多い。昔から変わらないが、死に過ぎる。兵が少なくなっている今、一人でも多く要るのに。
「北へ使いを出せ。送った兵を、残らず戻せ。」
社の司に言い付ける。
「お急ぎですか?」
何だ、この男。急いでいるに決まっている。見れば分るだろう。なのに、ヘラヘラしやがって。
・・・・・・ん、おかしい。人が少ない。もっと居ただろう、どこへ行った。どこに居る。
「社の者、全て集めろ。」
「揃っていますよ、臣。」
「っな、何ぃぃ。」
兵が足りなくなった。狩り人、釣り人も送った。それでも足りない。
覡を送った、子まで送った。まだ足りない。継ぐ子を送った、巫まで送った。で、残ったのはコレダケ。
幼子チラホラ、子はチョビッと。祝と禰宜は、元から居ない。社に逃げ込んだ人は皆、ボロボロ。北の地へ送っても、行倒れる。
「馬が有れば、行けますよ。」
フラッと立ち上がった男が二人、申し出た。