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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
452/1582

7-95 浮気? 違います!


六つの村が一つになって出来た国、三鶴。四つの村が一つになって出来た国、豊田。二つの村が一つになって出来た国、飯田。三つの国は、丸ごと。


宝玉社たかたまのやしろ牙滝社きばたきのやしろ鴫山社しぎやまのやしろは守られる。玉置、北山、武田の国は、大荒れ。いくさ好きは見捨てる。祀り、慕ってくれる人は守る。それがやしろ



それでも神か? 神ですが、何か。






川北と東山はボロボロ。社に逃げ込める人は、限られている。好きに振舞っていたおさなど、ポイ。真っ先に死ぬ。



山裾の地を奪った、耶万やまつわものたち。川田と馬守は諦め、日吉山と釜戸山を目指す。どちらも強い、落ちない。諦めて、岩割山へ。こちらも強い、落ちない。


で、せば良いのに、霧雲山へ。


南から攻めて来た者は全て、一人残らず死ぬ。魂を抜かれ、根の国へ真っ逆さま。次から次へ送り込まれるが、同じ事。ホイホイ吸い込まれ、ポイポイ捨てられる。




霧雲山の統べる地は、冷える。雪が高く積り、戦どころでは無い。一度ひとたび、引く。春、血の雨が降る。死ぬのは耶万。南から、攻めて来た人たち。



神成山かみなりやまが動くのだ。統べる地の川は、どれも大荒れ。押し流され、沈む。辿り着いても、鮎川は進めない。矢の雨が降り、息絶える。生き残りが攻めても、同じ事。




霧雲山の統べる地で、生き残った人は皆、戦嫌い。


戦好きは、残らず死んだ。守られた里や村、国。社に逃げ込んだ人たちは、食べ物を持ち込んでいた。誰も飢えず、死ななかった。



和やかに穏やかに、幸せに暮らしたい。


妨げるヤツは、悪いヤツ。戦好きなんて要らない。守るために戦う。戦を仕掛けなければ、死なない。攻めなければ死なない。


死にたくなければ、仕掛けるな。死にたくなければ、攻めるな。






「・・・・・・しゅごい。」


マルが思わず、呟いた。


「うん。スゴイ、でしょ。」



タエが血を吐く思いで、選んだ末の事。戦になれば、多くの命が奪われる。戦好きでも人。死んでほしくない。




「クゥ?」 アレェ?


この感じ、裁きだ。


シゲさんとシゲコ。コッチに向かって、歩いている。大蛇おろちは潜った。おにとき、かな? それにしても、スゴイ闇。釜戸の裁きとは、大違い。



裁ける山は、三つ。霧雲山、乱雲山、釜戸山。


釜戸山、釜戸社かまどのやしろは人。乱雲山、雲井社くもいのやしろは妖怪。霧雲山、山守社やまもりのやしろ祝辺はふりべは、良く分からない。木菟ずくも鷲の目も、谷川の狩り人も、良い人だヨ。



思うんだ。雲井社の裁きは、他とは違う。難しいコトは分かんない。ケドね。このモヤモヤは、祝の力だ。


霧雲山でも乱雲山でも、釜戸山でも無い。


この先に在るのは、飯田の村。ってコトは、始まったんだ。闇の裁きが、飯田の村で。




「どぉしたの? マルコ。むじゅかしい、顔。」


マルの膝に乗っけられ、マルコがブンブン尾を振る。それはもう、幸せそう。


「良かったネ。」


タエに撫でられ、ウットリ。


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