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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
430/1583

7-73 祝いろいろ、継ぐ子もイロイロ


みんなで楽しく、朝餉を食べる。お片付けして、一休み。



「シゲさんっ。おは、なしっ、いいれすか?」


「何だい、マル。」



そうか。ふたなり楢守ならもりの祝は、木を通して。遠く離れていても、祝となら話せる。スゴイな。



里とやしろの考えは、少し違う。里はノンビリ、社はピリピリ。とまぁ、そんなトコロか。


里が突っ走っても、社で止めるハズ。社を抑えれば、いろいろ出来る。



とはいえ、マルは幼子おさなご。釜戸の祝も幼子だが、マルは違う。死にたいと、滝から飛び降りた。


思うだけなら、踏みとどまれる。けどマルは吸い込まれるように、フラフラと。



いつ、どこで、何が起こるか。


何がマルを追い詰めるのか、分からない。何がマルを突き動かすか、分からない。それでもマルにしか、頼れない。


オロチ様が、いらっしゃる。マルコも側に。それでも・・・・・・。




「シゲさん?」


「マル。タエに会いに、茅野へ行こうか。」


「はいっ。」


キラキラキラァ。






タエには先読の力、タマには水を操る力。ミヨには、心の声を聞く力が有る。三人とも、マルと仲が良い。


何か悪い事が起きるなら、タエには分かる。見えても、話が出来ない。言の葉は出るが、話せない。少しは話せるように? 分からないが、会わせよう。



茅野社かやののやしろ宝玉社たかたまのやしろ。狩り人を通じて、繋がっている。子を引き取ってから、行き来が増えた。


もしタエに何か見えて、伝えたくても伝えられないなら、きっとミヨを頼る。


ミヨもタマも、継ぐ子。社でシッカリ守られ、暮らしている。会いたいからと会えるのは、継ぐ子だけ。




「シゲ。」


はい、オロチ様。


「我も行こう。玉置は、めておけ。」


きな臭い話は、聞きませんが。


おさせがれが、揉めて居る。マルはカンが良い。気に病む。」


分かりました。




「シゲさんっ、いつぅ?」


「これから行こう。飯田にな、届け物があるんだ。」


「いいら? かやの、よ。」


「マルは茅野社で、タエと過ごす。その間に届けるよ。」


「そか、フフッ。わぁいっ!」


ピョンピョン跳ねて、大喜び。




茅野の長には、行くと伝えてある。


タエが淋しそうにしている、らしい。狩り犬は避けるが、社の犬には近づき、撫でるとか。



飯田の国長くにおさは、役に立たない。


事が起きれば、荒れる。隙だらけ。茅野が目を光らせているから、攻め込まれる事は無い。それでも、気は抜けない。






「タエ?」


ブツブツ。ブツブツ。ブツブツブツ。


「祝、タエは。」


社には男が多い。よって、長の家から通っている。


「見守りましょう。」


長の問いに、答える気が無い?


「見守る、ねぇ。」


あまり食べず、眠りも浅い。このままでは倒れてしまう。


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