表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
耶万編
396/1635

7-39 忍びコソコソ話


化け王、御自ら導き遊ばし、御力添えまで。良いなぁ、羨ましいなぁ。と、思って居りました。そうですか。そうなのですね。


ブラン様。良ぉく、御見かけします。お気に入りの止まり木か、食べ物が有るのかな? なんてネ。浅はかなコトを・・・・・・。




いやはや、驚きました。霧雲山は、当てにナリマセン。やっと、祝辺はふりべもりが動きました。人の守が王となり、霧雲山の統べる地を守るそうです。


しかし、です。他へ知らせてオリマセン。『問われれば答える』とまぁ、何とも頼り無い。


もし南から使いが来て、『平伏せ』とか『従え』など言われれば、どうします。手遅れですよ。来る前に知らしめねば、いくさになる。それが今の、中つ国。



獣谷。祝辺の守に認められた、隠れ里。霧雲山では無く、祝辺と繋がっています。なのに化け王と。アンリエヌと結んだ? ・・・・・・信じられない。


釜戸社かまどのやしろに認められた良村よいむらなら、良いのです。人と人との繋がり、人と人との結びなので。村が国と繋がり、結ぶ。それだけの事。



霧雲山、祝辺。祝辺の守の多くは、おに。人の守が隠の守を纏めていますが、力が強いのは隠。つまり獣谷と祝辺は、人と隠との繋がり。人と隠との結びに、なるのです!


・・・・・・化け王。御存知ですよね、全て。他は見捨てても、獣谷と良山よいやまは守る。そう、御決め遊ばした。



「と、なると。」


「あぁ。」


「で、どうする。」


「どうも、こうも。」


忍びコソコソ、祝はウトウト。社の司は遠くを見つめ、禰宜ねぎは頭を抱える。






「北は治まり、穏やか。東は神成山かみなりやま、西はおそれ山。となると、南。」


雲。ズバッと、切り出す。



霧雲山の統べる地から、南に流れる川は三つ。一つ、東。曲川まがりがわへ続く、蔓川つるのかわ。二つ、中。底なしの湖から流れる、暴れ川。三つ、西。釜戸山から流れる、鳥の川。



東。良村には、蛇神が御坐す。他の忍び、隠れ里とも結んでいる。蔓川、崖の滝、渦の滝。その下の、曲川。


何か起きて通れなくても、困らない。森川から鮎川を通って、神成山の統べる地へ。そこから、南へ行ける。塩でも干し貝でも、要る物を手に入れられる。


それだけでは無い。


知らない事、知りたい事など、知る事が出来る。狩り人、釣り人、商い人。あちこち出向いて、集めている。きこりは山で、調べもの。いつ、誰が、誰と、何をしたか。いつ、どこで、どうしたのか。



子を守るため、村を守るため。良村の大人は皆、血を流さずに戦う。危ない事は決して、しない。生きる事を諦めない。死んだら守れないから。


生きたくても生きられなかった、皆の魂と共に生きて、生きて。死んだ親に代わって、子を守り抜く。そのために、死ぬまで生きる!


・・・・・・勝てる気がシナイ。うつわが違う。




中。獣谷の隠れ里。釜戸社が持っている仕置き場から、少し下った辺り。化け王の才によって繋がれた、闇の道が残っている。


雪雲川から白縫川しらぬいのかわ、暴れ川と進めば、獣谷へ。暴れ川が通れなくなっても、良村がある限り困らない。要る物は何でも、手に入る。



どちらも早稲わさの生き残り。村が表、里が裏。守るため、生きるために作られた、隠れ里。獣谷を知り尽くし、守りながら攻め、戦う。


・・・・・・強い。強すぎる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ