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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
良山編
294/1632

6-128 春になったら


「キャン。」 オカエリナサイ。


「シゲさぁん。おかぁえ、りっ、な、さい。」


「ただいま、マル。」


迎えに来てくれたのか。ありがとう。


「さぁ、帰ろう。」






みんなで仲良く、夕餉を食べる。


子らが美味しそうに、幸せそうに食べている。たんと食べて、大きくなって。ずっと、ずっと幸せに暮らすんだ。


そのためなら、何だって出来るさ。守ってみせる。



オレは弱い。村を守るので、一杯一杯いっぱいいっぱい。でも、一人じゃ無い。九人で力を合わせれば、何とかなるさ。


だからイチ、生まれておいで。









片付けが終わり、子らはスヤスヤ、夢の中。釜戸山にいるノリを除いた、八人で話し合う。かしとの事を。



「今、二夜ふたよ。夜が明ければ、来る。」


来るとすれば、昼過ぎだろう。まずうた。会うと伝えれば、夜か明くる日。オロチ様が、立ち合われる。


かしは小さいが、豊かな里。良い織物を作るそうだ。大平、陽守やもりと付き合いがある。良村よいむらわざわいもたらすとは、考えにくい。




「良いと思うよ。」


アッサリと、シン。



大平の長から聞いた。謡い人の隠れ里だと。祝には目眩めくらましの力があって、霧雲山から里を隠している。


田も畑もあって、狩り人がいる。川は無いが、泉が多い。要る物は商いで。大平と陽守としか、付き合ってない。オレが知っているのは、これくらい。




「困っているようには、思えないな。」


ハッキリと、タケ。



田も畑もある。隠れ里なら、山の幸だって。狩り人がいるなら、肉も。織物があるなら、衣に困らない。困った時には、大平や陽守に頼れる。


・・・・・・ウン。サッパリ分かんない。なぜ良村と、結びたがるんだろう。隠れる力が有るなら、攻められない。霧雲山にも、見つからない。




「確かに。他に、何が考えられる?」


ボソッと、セン。



塩じゃないか?


大平も陽守も、山の奥にある。大平がある大山には、大山川がある。鮎川に流れてる。釣り人はいるようだが、南では見ない。


陽守は、大山より山奥だろう。渓川たにかわから入って・・・・・・どうだったかな。


ノリが言ってたから、川から行けるんだろう。けど、南では見ない。





「会って話して、嫌なら断れば良いわ。」


「そうそう。助け会えるなら、そうしよう。」


コノとコタが言う。



塩っ気が無ければ、力が出ない。海から遠く離れているから、困っているハズ。良い織物って事は、絹かしら。肌ざわりが良いのでしょうね。


海と川では、舟の扱い方が違うって、ノリが言っていた。海まで行って戻るんだ。センが疲れないように、皆で考えよう。商うなら、そのうえで。




「そろそろ、舟に乗せるか。」


釣り人を志す子たちは、森川や雪雲川で釣っている。舟には乗せない。浅瀬なら泳げるが、浮き具を増やそう。細かい事は、ノリが戻ってから。


春になったら・・・・・・。


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