6-118 不戦の誓い
あっ。ブラン様と目、合っちゃった。ウフッ。
『まだかな、まだかなぁ。話し合い、まだマダなのかなぁ。』
心の中で歌うくらい、良いでしょ!
「待たせた。天霧山にも、心消の隠れ里にも、良村からは仕掛けない。仕掛けられれば、他の忍びに頼る。」
ヲォォ、そうですか。ありがとうございます。
さ、お頭方。固まってないで、バシッと決めてください。ブラン様を通して、化け王も御覧ですよ。
「矢弦社の忍びではなく、天霧山の忍びとして誓う。良村に、決して仕掛けない。裏切らない。」
はい。平の雲ですが、私も誓います。
頭、頭下げて。もう、こうですよ。指先を揃えて、額をペタッと。そうそう。
「心消の長として、影の忍頭として、誓う。良村に、決して仕掛けない。裏切らない。」
そうそう。こちらから御願いして、結んで頂くのです。ん、ブラン様。どちらへ? まっ、いっか。
この誓い、良村の得になる。
一度結べば、解けない。裏切れば、滅ぼされる。オッソロシイよ。しかもコレ、忍びの結び付き。
結んでる全ての忍びが、許しなく良山に入れない。村じゃなく、山にね。良村は、良山の中に在るからさ。
隠れ里だと違ってくる。
山の中にあっても、ここからウチです! なんて感じじゃ、無いでしょ。囲ってあれば、入らないよ。
「心消の。長の証、返すよ。」
「ありがとう。」
「シゲ。三人の忍頭、この家に集めても良いかな。」
「良いよ。いつだい?」
忍びでも、かかります。
水月の桧は、月見山。糸遊の月は、天立山。見空の梟は星海山。全て、霧雲山の向こうです。しかも集まるとなると、直ぐには・・・・・・。
出来る限り、早く決めます。
決まったら、オレが良村に伝えに来ます。森川の真ん中辺りで、待てば良いですか。良山の裾辺りで、待ちましょうか。
「良山の裾、森川の側で、暫く待ってくれ。」
「分かりました。」
急に伺うんだから、待ちますよ。お気になさらず。
「雲、影。」
ブラン様。いらしたのですね。
「良村との誓い、決して破るな。」
「はい。」
忍び三人、平伏す。
「なぁ、影。」
「何だい。」
「祝の。いつだい。」
先見の力で見えるのは、近い時。先読の力で見えるのは、近い時から遠い時まで、いろいろ。
いつ起こるのか、分からない。出て来る人に心当たりが有れば良いが、無ければ全く、分からない。
そもそも祝は、隠れ里から出ない。そう決まっている。
里の外に見知った人は、一人もいない。話を聞いた時、根掘り葉掘り聞いた。が、分からなかったのだ。
「そうか。桧らに、話すか?」
「話そう。」




