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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
良山編
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6-84 ご用向き、伺いましょう


「その姿、心消こけしの人だね。化けて無いってコトは、話し合いに来たのかな?」



ニコニコしながら、シンが問う。目は、笑っていない。


カズは驚く。人当たりの良いシンが、心して備えている。誰かに持たされたのか。縄を隠そうとも、しない。


姿を見ただけで、心消だと。


シンは商い人。人を見る目は確か。・・・・・・危ないのか? 忍びだからじゃ無い。心消だから!




「へぇ、良く判ったね。そう、影さ。」


困ったね。害する気は無いんだが・・・・・・。団子でも、持って来れば良かったか?


「心消のおさ。お話、伺いましょう。」




広く、商いを行うだけある。鋭いな、この男。


名は確か、シン。木下の、死んだ長の孫。カンの良さは、父譲りか。こりゃ、偽らない方が良い。


とはいえ、こうも構えられちゃ、にくい。時も無いし、良村の長に会わせて貰おう。




「朝早くに済まないが、良村の長に会いたい。」


「悪いが、村には入れられない。ふもとに家がある。そこで暫く、待ってくれ。」


カズが言うと、心消の長が頷いた。


「押し掛けて、悪かった。言う通りにするよ。縛るかい?」


「我が押さえる。家に入れ、コハルに見張らせよ。」


マルのおにだ。信じよう。


「いいや、そのまま。」


そう言って、カズが歩き出した。




カズの後ろに、心消。その後ろにはシン。心消の横には、コハル。


なついたんじゃ無い。逃さないように、見張りながら歩いているだけ。


仔犬とはいえ、馬守で生まれた囲い犬。決して逃がさず、いざない導く。


麓の家に閉じ込めた影を、外からシッカリ見張ります!





「忍びの影、心消の長が来た。長に会いたいってさ。夜遅くにも来たと、オロチ様が。」


カズは村に戻るとぐ、シゲに伝えた。


「そうか。影が来たのか。」



ゲンから聞いた。忍びの隠れ里、心消。


雪のように白い肌に、スラっと高い背。整った姿の忍びたち。言えないような事があって、逃げたのだろう。


付き合いがあるのは、忍びがいる村だけ。ゲンは断った。良村を加えて、何になるのか。釜戸山との繋ぎか?




「会うのは、朝餉ののち。オロチ様とコハルには悪いが、待たせよう。こんなに早く、訪ねて来るとはな。」





そうそう。よそ様へお邪魔するなら、食事時は避けます。


早朝や深夜に訪問するなど、もってのほか。封書にて伺いを立て、面談の日時を約束し、菓子折り持参で、五分前に訪問する。コレ、大事!


忍びだろうが、忍者だろうが、忍術使いだろうが。面談を希望するなら、相手に合わせる。コレ、重要! ニンニン諸君、忘れないように。


勿論もちろん、世の中には組織の数だけ、常識が存在します。だから、常識の範囲内で調整するのです。


夜行性だろうが、低血圧だろうが、関係ありません。


・・・・・・コホン。戻ります。





「オロチ様へは、酒かな。コハルの朝餉には、干し肉をつけよう。」



良村の良い子たちは、食べ盛り。朝餉を待たせるなんて、かわいそう。


モリモリ食べて、バリバリ働く。それが良村の子。真っ直ぐ、逞しく育っておくれ。


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