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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
良山編
246/1632

6-80 真だとしても


次から次へと送られていたつわものが、送られて来なくなった。


幾日かのち、魚川に舟が入った。水手かこの他に、男が一人。白い布を持って、大きく振っている。



早稲わさの社の司、シギ。蔦山のおさに、申し上げたく。」


布を振りながら、叫んだ。


「長、罠です。」


「舟に矢を当てよう。山には入れない、近づけない。」


狩頭から矢を受け取り、放つ。


「舟を降りろ! 近づくな!」


「分かりました。そのまま、お待ちください。」



舟を寄せ、川のふちに。


シギが飛び降り、みよしを持って押さえる。水手も舟を降り、二人で引っ張り上げた。


水手は両の手を真っぐ上げ、舟から離れた。ゆっくりとかがみ、膝を抱える。


「蔦山の長。お会いして、申し上げたい。」


「聞かれて困る事か。」


「いいえ。」


「では、そこで。」



魚川は広いとはいえ、谷川だ。良く響く。大きな声を出し続けるのは辛いだろうが、むを得ない。


社の司だと言うが、まことか。だとしても、早稲は信じられない。聞かれても良いなら、皆に聞いて貰おうじゃないか。


むくろを葬るのは、それからだ。あれだけ多ければ、熊もヤツらを狙わない。話によっては、近づく熊を追い払う。



「このたびいくさ、我らの負けです。引きます。」


「なぜだ。また攻め入る気か。」


「いいえ。もう攻めません。」


「信じられない。」


耶万やま風見かぜみ、早稲。この地へは、決して仕掛けません。」


あかしは。」


「ありません。」



証が無ければ、信じられない。


人とは思えないような、獣のような人を、あれだけ多く差し向けて。風見の倅を討ったのに、次から次へと送り込んで。


耶万。


風見は早稲だけで無く、耶万とも。あんなに多く、長く送り続ける力を持つ国。シゲが言っていた、大王おおきみのいる国か。


・・・・・・南には大きな国が、幾つもある。その一つが、耶万。


シギと言ったか、あの男。・・・・・・祝辺の守が、動かれたか?



「何があった。」


「耶万の大王、跡継ぎのせがれめかんなぎおかんなぎ。風見の長。皆、殺されました。」


「なぜ、どうやって。」


「胸や頭を、射貫かれて。」



だから、何だ。我らは何も・・・・・・。


狩り人は、人を殺さない。妖怪は、弓など使わない。残るは、忍び。木菟ずくか、鷲の目?


守の使いが殺すとは、考えられない。他にも忍びが・・・・・・いる。霧雲山とは、限らない。他の山にも忍びがいて、耶万へ差し向けた。



「信じてください。早稲も風見も、耶万も。もう決して、この地を攻めません。仕掛けません。」


「それがまことなら、使いを乱雲山へ。」



この地に攻め入った裁き。国と国との、話し合い。仕切るとすれば、乱雲山だ。霧雲山が動くとすれば、そののち


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