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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
良山編
233/1633

6-67 霧雲山を外して、何を


良村よいむらを取り込め、か。


良村は、獣谷の隠れ里と繋がっている。祝辺の守が認めた、隠れ里。化け王とも、繋がっているようだ。


里から出ないゲンより、村から出られるシゲ。シゲからゲンへ、繋いで貰おうってか。



釜戸山での集まり。出たのが糸長いとおさで良かった。


弓長ゆみおさだったら? まず、シゲに妖怪を付ける。良村に戻り、気付かれる。で。マルを守るおにが、パクッ。


そうなりゃ、乗り込むぜ。ウサってのは、そういうヤツさ。





「ツサ。いるかい? 干し肉、持って来たヨ。」


「それは良い。皆、喜ぶ。」



糸の村。狩りと釣りは弓の村に任せ、天霧山で暮らす人たちの、食べ物と着る物を作っている。


長はツサ。オレは三つまで、ココにいた。疲れると、フラッと戻る。


弓の村。多くの人が忍びと暮らす、育ての村。熊を一人で狩れるまで、村に入れて貰えない。


『力で勝てなきゃ、頭を使え』って。幼子おさなごをさ、森の中へ放り込むかい?





釜戸山での話し合いで、ブラン様にしか、気付かれなかったツサ。あっちこっちウロウロして、集めに集めたイロイロ。加えて、気になることを聞いた。


水月みつきひの見空みそらの梟、糸遊いとゆふの月、心消こけしの影。四人の忍頭しのびがしらが、雲の頭に会いに来たと。


霧雲山を外して、何を話し合ったんだ?




「良かったら団子、どうだい? ってな感じで、探りに行った。」


「で、どうだった?」


「冬の戦の話だったよ。山裾の地が奪われれば、霧雲山。更に北へとなれば、山平やまだいらの地が狙われる。」


「深い谷がある山の奥。とはいえ、沢を登れば行けるからな。」


ぐには見つからない。狩り人なら知っている。」


「知ってるっのって、岩割と陽守やもりくらいだろう。結んでる山の他は。」


「心消にも、知られたらしい。」


「言わないだろう。」


「良村の、犬を連れた釣り人がな。近づいたらしい。」


「ノリか。言ったとしても、良村と隠れ里さ。」




良村も、獣谷の隠れ里も。早稲わさから出た人たちが、作った。何も知らずに逃げ込んで、虐げられた人たち。その、生き残り。


命がけで逃げ出して作ったのが、獣谷の隠れ里。釜戸の裁きの後、祝の許しを得て作ったのが、良村。


近くも遠くも無いが、ソコソコ離れている。どちらも助け合いながら、幸せに暮らしている。




早稲。悪い話しか、聞かない村。


逃げ出したとはいえ、その早稲にいたのだ。歪んでいる。罰を受け死んだタツ程ではないが、歪んでしまっていることは確か。




「なぁ、ツサ。シゲに会って、どう思った。」


「若いが、強い。歪んでいるが、守るためなら、何でもするだろう。」



天霧山に来た、忍頭たちは案じている。村や里を守るため、告げるのではと。


そう考えるのは、当たり前。


でもな、そんなじゃ無い。奪われて虐げられて、それでも生きて生きて。早稲から出て、新しい村を作ることを夢見て、何とか生き残った人たちだ。



言ってたよ。子は宝だ、真っぐ育ってほしいって。


子らも、辛い思いをしただろうに。みんな笑って。


蔦山の長の娘と、村の子を五人。しっかり守ってさ。守るために強くなれって、導いてた。

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