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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
良山編
218/1633

6-52 築城計画


「なぁ、ノリ。」


「何だい。」


風見かぜみ早稲わさ耶万やま。他にも・・・・・・。」


「いるだろうな。そんな気がする。」



戦のゴタゴタで、どっかに隠れてさ。山ん中、抜けて。あちこち回って、調べてる。風見や早稲より、耶万だ。


コタの罠、掻い潜って、山に入って来たんだ。滑って谷に落ちたけど。それに、煙。


ノリコもコハルも、気づかなかったのに、マルコだけ。犬は、鼻と耳が良い。釜戸山の犬は、特に鼻がく。つまりだ。犬が気づいた時には、遅いってこと。釜戸山の犬にしか、嗅ぎ分けられない。


耶万のを、乱雲山へ。その時オレも、別の舟で行こうと思う。帰りに釜戸山に寄って、犬飼いに育て方、聞くんだ。教えてくれるかどうか、分らないけど。



「そうか。」


「行っても、良いかい?」


「行ってこい。ノリコ、連れて行くんだろう。」


「連れて行く。コハル、頼めるかい?」


「良いよ。」



犬の鼻を鍛えるてだてがあるなら、学べるなら、村を守る力になる。犬好きで、犬にも好かれるノリなら、得られるだろう。




決して使ってはならないと、化け王がおっしゃった。その薬なのかどうか、分らない。違っていたとしても、悪い物に違いない。


風見は必ず、やって来る。耶万も、いつか。為来しきたりを守るとは、限らない。いきなり攻められれば、山裾の地は・・・・・・もたないだろう。いくら祝辺の守でも、難しい。


冬の戦だって、化け王の助けがあったから、退けられたんだ。今だって、ブラン様の目を通して、見張って居られる。



霧雲山は、祝辺の守に。乱雲山は、妖怪に。天霧山は、おにに守られている。良山よいやまは?


オロチ様が、皆を守ってくださるのは、マルが望むから。ついでに、守っているに過ぎない。オロチ様が守るのは、マル。マルコだって、同じだろう。マルを守るために、吠えて知らせた。



どうする。獣谷の隠れ里のように、隠すか。森川の源の泉は、良村よいむらにある。舟で進めるだけ進んでも、村まで行けない。


降りて、川沿いに進めば来られるが、険しすぎて危ない。狩り人なら、引く。


戦は、人を狂わせる。守りたい誰かを質に取られれば、形振なりふり構わず、突き進むだろう。


むくろの山を踏み越えて、次から次へ。そんなことになれば、きっと・・・・・・。




山城。そうだ、良山を城に。守りを、もっと、もっと固めて。今も罠を仕掛けたままだから、山裾から奥には、入れない。


この山に引っ越してから今まで、助けなく良村に来たのは、木菟ずくに鷲の目、雲。霧雲山と天霧山の忍びだけ。


良山のきわまで入れたのは、谷に落ちた耶万。気づいていないだけで、他にも?



何にせよ、守りを固めなければ。良山に良村があることは、釜戸山の灰が降る地では、知られている。良山のどこに村があるのかは、知られていない。


馬守のアサさん、ハナさん。蔦山のツネさん、五人の子たち。八人は知ってるが、馬守も蔦山も、良村を売るようなコトはしない。これからも助け合って、付き合えば良い。



どんな事になっても、村の暮らしと幸せを守る!


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