6-34 アニマルセラピー効果?
底なしの湖から、鮎川、森川へ入って、やっと着いた。舟寄せで舟を調べ、確かめる。
「クゥ、ワン!」 アッ、ノリサン!
わぁ~い、迎えに来てくれたんだね。嬉しいな。
「ヨォォシ、ヨシ。イイコ、イイコ。」
ノリコを撫で、ニッコリ。
「疲れたろう、水をお飲み。」
「ワン。」 ハイ。
ゴクゴク、ゴクゴク。フゥ、美味しかった。
「ヨシヨシ。干し肉だ、お食べ。」
「ワン!」 イタダキマス!
モグモグ、モグモグ。とっても美味しい!
センは舟の扱いが上手いから、きっと帰ってくるだろう。とはいえ、早くノリコの顔が見たい。ということで、山を下りて来た。
さすがノリ。人より、犬!
「で、どうだった。」
ニコニコとノリコを撫でてから、センに聞く。
「残らず届けたよ。何とか、なるだろう。」
いつものコトなのだが、慣れていないタカは、ポカンとしている。
「お前も食うか?」
大好きな干し肉を、美味しそうに食べるノリコを見て、欲しくなったのかと思った。まず犬に声を掛けたことに驚かれたなんて、夢にも思わない。
「いいえ。ありがとうございます。」
断ったものの、お礼を言うタカ。良い子である。
「そうか。」
食べないのかと、アッサリ引くノリ。
「行くか。」
センが舟を引っくり返し、頭に乗せた。
「そうだな。おいで、ノリコ。」
「ワン。」 ハイ。
尾を振りながら、嬉しそうについてくる。そんな姿を見て、タカは思った。『良村に帰って来たんだな』と。
舟を村まで運ぶ村は、珍しい。多くは流されないようにして、舟寄せに残す。
早稲の、村外れで暮らしていた時は、早稲のヤツらに奪われないように、持ち帰っていた。
この山では、誰かに奪われることはないし、傷つけられることもない。しかし、出るのだ。
良山にも、少ないが熊がいる。川の近くに隠せば、傷つけられるかもしれない。直せないくらい、壊されるかもしれない。
だから着き場から遠く離れるが、村まで持ち帰るのだ。
タタタタタッ、ガバッ。
「ただいま、マル。」
ノリに撫でられ、ニッコリ。
「キャン!」 オカエリ!
マルコ。マルの足元に座って、ご挨拶。
「マル、ただいま。御守り、ありがとう。」
首から下げていた、小さな袋。中には大蛇の抜け殻が入っている。センが御守りを、マルの小さな掌にのせる。すると、コクンと頷き、ニッコリ笑った。
良村に来た時、マルは人見知りしていた。犬を飼っていなくても、犬たちがキラキラして尾を振る人には、直ぐに懐いた。
アニマルセラピー効果?




