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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
166/1571

5-93 手に手を取って


霧雲山が統べる地に御座おわす、国つ神。魂鏡社たまかがみのやしろにて、宴を楽しまれた。酒は憂いの玉箒たまばはき


人は話し合いの末、助け合うことに決めた。祝辺の守が睨みを利かせている。背く愚か者は、いない。



乱雲山の妖怪たちは、考えた。悪意おいのような、悪しき妖怪。アンのような、悪しきモノ。他にもイロイロ。このままでは、いけない。


悪いおには、祓い清める。許し無く墓場から出れば、ぐに魂を剥がし、滅する。



このたびいくさ。悪しきモノによる、はかりごとだった。人は弱い。欲深く、もろい。だから容易たやすく、騙される。



良いおになら、地を守る。祝や妖怪とともに、国つ神に仕える。中には地の神となり、人に求められなくなるまで、見守る隠も。


すべての隠が、祝辺の守のようなら良いが・・・・・・難しいだろう。隠だから、強い力を持つわけではない。守が、他と違うだけ。




人々の住む地を、御守りくださる。天つ神も、国つ神も、清らかな隠も。







「魂を剥がす。」


「剥がし、祓い清める。」


「ここまでは、良い。」


三妖怪、頷く。



「フクは。」


「祓い清めるが。」


「弱い。」


・・・・・・。



「そもそも。」


「乱雲山には。」


「・・・・・・ツウ。」


ハッ!



「ツウが行くなら、コウも来る。」


「コウなら、何があってもツウを守る。」


「隠のときや、妖怪の墓場へ連れて行き・・・・・・?」



「強い力は、ある。」


「あるが、その力。」


「祓い清めるのか?」




事情を説明し、試すことに。結果、失敗。フクにより、祓い清められた。ツウは落ち込んだ。気の毒なくらい。見かねたコウが抱きしめ、言った。


「いつか、きっと、多くの命を救うよ。ツウなのか、ツウとオレの子、孫なのか。誰にも分らないってだけ。」


「いつか、多くの命を?」


「そう。」



ニッコリ笑って、言い切るコウ。ツウは嬉しくなった。私には救えなくても、コウとの子が・・・・・・。


そ、そうよね。私たち、誓ったもの。コウが十二になったら、契るって。そしたら、生まれるわ。コウに似た男の子かしら。それとも女の子?



「ツウ?」


「ありがとう、コウ。私、とっても幸せ!」



乱雲山編でした。


良山編へ続きます。お楽しみに!

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