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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1614/1632

19-25 はむっ


和音かずね清和きよなの働きにより、中津国なかつくににある冀召きよしの家は禍津国まがつくににある光の柱と、いつでも行き来できる事が明らかになった。






「はわぁん。」


なぎに触れられ、恍惚こうこつとする和音。




気合きあいを入れたのだろう。大きな体で突っ込み、そのままドドドと登り詰める。


でドン。




「冀召の水が無くなるかと思った。」


オビスが微笑む。


「空にね、光のおびが見えたよ。」


シロが尾を振る。






家から飛び出し、腹から着水ちゃくすい。ドォォンと大きな音がしてザァァッと水が落ちた。


ノビる和音、あきれるブラン。その上に虹が現れシロ、大興奮。






おに騒がせな蛇だ。」


鎮森しづめもりの民だけではない。祝辺はふりべから、とつ守。山守からはカヨが、水筋みずすじを通って駆け付けた。


日和ひよりん、ひどぉい。」


「何だ、その呼び名は。」


と言いながら二歩、日和が後退あとずさる。






大和やまとからす和泉いずみふくろう、日和は鶴と揃って鳥。和泉は夜行性なので、話し合うのは日暮れ前。


集まるのは冀召の東、山桃湖の北西。裏白樫うらじろがし大木おおき



集まり、そろそろ。そんな時、和音が水柱を上げる。






「いやぁ、驚いた。」


和泉がクリンとした目を輝かせ、ジィィ。


「これはハム。豚の肉を塩漬けにして、いぶした物よ。タルシェの豚は味が良いから薄切りにして、そのまま食べられるの。」


「はむっ。」


ジュルリ。






これまでもアンリエヌの美味おいしい物が食卓に並ぶ事はあった。けれど、その多くは保存食。


見るからに美味しそうなハムに心惹かれたのは和泉だけでは無い。お行儀良くしているが、大和も同じ。






「みんな揃ったし、夕餉にしましょう。」


「はぁい。」






禍津国に放り込まれた和音は、目についた物を来る日も来る日もパックンごっくん。


スケスケだった体が色づき、黒くなって真っ黒になって禍禍まがまがしくなって、何でもかせる体を手に入れる。



が、味なんて覚えてイナイ。全て同じだと思っていた。






「おいひぃ。」


あぁ和さま。和音の心と体だけではなく、腹まで御掴み遊ばすなんて・・・・・・好き。すきスキ大好き。


「人の姿に化けても、変わらないのね。」


日和が呆れながら、魚のフライをパクリ。


「おいひぃ。」


あぁ和さま。日和の心を優しく包み、お腹まで幸せにしてくださるなんて。・・・・・・好き。






大和もオビスもシロも、初めて食べる料理に興味津津きょうみしんしん






「あぁ。」


オビスはジロから『頬が落ちるホド美味しい』ハムの話を聞いて、『面白い事を言うな』と思った。けれど口にして、その意味を知る。


「これがハムなんだね。」


ウットリ。


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