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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1612/1624

19-23 クローバーを植えよう


な・ぎ・さ・ま。


あぁん、ウットリするホド心地よい響き。和音かずねを骨抜きにするナンテ、もうっ。メロメロですわぁん。






冀召きよしの家をやしろにすれば、中津国なかつくにに居る大和やまとたち。こちらへ来られるのかな。」


なぎが首をかしげる。


「それは難しいと思います。」


デレデレしていた和音が真面目まじめな顔になり、微笑んでから言い切った。


禍津国まがつくには死んで、おにになった者の国。生きている者が足を踏み入れれば、何かを口にすれば戻れません。」






和音は思った。この幸せをズッと、ズッと噛み締めたいと。



和さまの身に何が起きたのか、どんなに考えても分からない。けれど禍津国まで迎えにいらっしゃった、というコトは分かる。だから清和きよなは許す。


他の使わしめは、何とかナルとしても嫌だ。






「和音は戻れたわよね。」


ドキリ。


「というコトは大和も。」


ショボン。






和は思った。


大和は山越烏やまごえがらす猛禽類もうきんるいではナイけれど、猛禽類のような食べ方もする。蛇が恐れてもオカシクないと。



烏は雑食性。昆虫や果実の他にトカゲやカエル、小鳥の卵や雛も食べる。大形種になると小獣も捕食する一方で腐肉食の傾向が強い。


大きなモノを食べる時は足で押さえ、くちばしで食い千切ちぎる。



あまった食べ物を残しておいて、後で使用するなど学習能力が非常に高く、適応性が大きい高等生物なのだ。


海岸に打ち上げられたモノを漁ったり、ゴミ捨て場を漁ったりするが、そういう習性なのだから仕方がない。






「うん。冬を越せるダケの食料は確保できたし、クローバーを植えようかな。」


右手でこぶしをつくり、左のてのひらにポンと打って微笑む。


「和さま。クローバー? は、食べられるんですか。」


清和が問うた。


「牛や馬は喜ぶわよ。花は白くて小さくて、葉は三つ。四つ葉を見つけると幸せが訪れる、なんて話も聞くわね。」


「いっぱい植えて、四つ葉を見つけましょう。」


清和が目を輝かせる。






クローバーはヨーロッパ原産。


茎葉は栄養価が高く、牧草として利用されるマメ科の多年草。根につく根粒菌は空気中の窒素ちっそを固定し、土地を肥やすので休耕地などにも植えられる。



ちなみに、稲作の緑肥用として栽培されるレンゲソウは中国原産。


稲刈りの少し前、灌漑かんがいを止めた頃にバラき春、花盛りの頃に田にき込む。こちらはマメ科の二年草。






「楽しそうね。」


「はい、楽しみです。」


キャッキャ、ウフフする和と清和。


「和さま、きっと幸せにします!」


和音、キリッ。


「ありがとう。皆が幸せに暮らせるように、これからも力を尽くすわ。」






あぁん、和さまぁぁ。


和音は和さまの御考え、し為さる事をさまたげるモノが現れたら消します。迷わずバクッと飲み込んで、ジュッとかしてブリブリ出します。


ってイヤン、恥ずかしい。






「・・・・・・和音?」


元の姿に戻りクネくねクネ、くぅねクネッ。


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