19-20 美味しいもの、いっぱい
和は育ち盛り。
どうせ植えるなら、美味しい実を付ける木を。と、考えるオトシゴロ?
「小麦、小麦♪」
小麦は粉にしてパンやパスタ、ケーキにサブレ。他にもイロイロ。
「大麦、大麦っ♪」
醤油に味噌、飴。ビールの材料にもなるネ。
「稲イネ、い稲♪」
説明なんて要らない。米だよ、お米。
流石、ジロの孫。踊りも個性的だ。
片方の手を腰に当て、もう片方の手をフリフリ振りながらトン、トココ。円を描くようにユックリと、片足づつ交互に軽く飛びながら進む。
「桃クリ三年、カキ八年♪」
桃と栗は芽を出してから三年、柿は八年で実を結ぶ。
「サルナシ甘くて、ちょい酸っぱい♪」
名の由来はイロイロあるようだが、有力なのは二つ。
猿梨の実は梨に似ており、猿が食べるから猿梨説。猿の好物で、実を全て食べ尽くすからサルナシ説。
サルナシはキウイフルーツのような味がする、らしい。マタタビ科の落葉ツル植物。日本全土の山林に生え、東アジアの暖帯に分布。
太い蔓を切ると根の付いた方の切り口から水が出るので、山で喉が渇いた時に役立つ。
飲み水に困ったら頂こう。
そうそう。沢の水などは動物のフンやら何やらイロイロ混じって、飲料には不向きだからね。透き通っていても大腸菌、入っているカモよ。
気を付けよう。
「胡桃ん胡桃ん、胡桃んミン♪」
オニグルミ、ヒメグルミ、テウチグルミなど、山地に自生するクルミ科クルミ属の落葉高木。
果実は大形の核果で、内部に薄い皮に包まれた白色の種子がある。そのまま食べたり、料理や製菓の材料にも。
「葡萄も好きよ、山葡萄♪」
各地の山地に自生する、ブドウ科の蔓性落葉低木。茎は長く太く、濃い褐色をして巻きひげで、他の樹木に絡む。
夏に黄緑色の小花を、円錐花序につける。秋に黒い球形の実が房になって垂れ、美しく紅葉。
「はぁぁ、楽しみぃ。」
ウットリ。
他にも大豆、里芋、山芋、油菜。人参、玉葱、大根、甜菜。白菜、蕪にジャガイモ、サツマイモ。茄、ホウレンソウ。トマトも植えました。
「美味しいもの、いっぱい。」
えへへ。
和は知ってしまった。美味しい物がイッパイあると、アンリエヌで知ってしまった。
粥も美味しい。団子も美味しい。
榧の実は生では食べられないが、焦げないようにタマに揺すりながら炒れば美味しく食べられる。
「榧の木も植えたし、うふっ。」
和のお気に入りは薄皮付き。炒りたてホヤホヤをフゥフゥし、ツルンと剥いてパクリ。
「粟、稗、黍、蕎麦。」
あぁ、収獲が楽しみだわ。
「オンッ。」 タノシミデスネ。




