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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1608/1614

19-19 育て! 緑よ


あの輝き、あの強さ。清めと守りの力だけではない。もっと強い何かに包まれている。




素戔嗚尊すさのおのみこと、おしづまりください。」


御怒りだ。静かに御怒りだ。


「母さ、ま。」


ゴクリ。


「もう、お忘れか。」


エッと。


「あの光、柱が立っているのは霧雲きりくも山の真下。」


「・・・・・・あぁ。」


思い出した。






あの守り袋、どんな事をしても手に入れる。小さいの、幼子おさなごは犬から離す。


家が出来たら呼ぶ、とか言っていたな。けっけぇ。ヤッてヤルぜ、大きいのを。家の前に。



姉さま、怒ってたなぁ。他にもイロイロやったけどさ、岩穴に、ほらに閉じこもる事ナイじゃん。


まっ、何とかナッタけど。






「あの柱に、いいえ。やしろから出る事、許しません。素戔嗚尊。今すぐ、御戻り遊ばせ。」


「そ」


「ソンナもコンナもありません。」


気の所為せいか? 伊弉冉尊いざなみのみこと御頭みかしらに、つののようなものが。


「け」


「けれど、何ですか。」


クワッ。






どうしてソンナに御怒りなの。


あの守り袋があれば母さま、人のときへ戻れます。父さまと話し合って、仲直り出来ます。なのに、だから、だから欲しかったんだ。



一年ひととせ一度ひとたびで良い。向き合って、手を取り合えば昔のように過ごせます。


御力を合わせ、数多あまたの神を御産み遊ばしたのでしょう?






よろしいか、素戔嗚尊。」


くちびるをグッと噛み、泣き出しそうな御顔を為さる。けれど母神ははがみまゆ一つ動かされず、御待ち遊ばす。


「・・・・・・はい。」






いいよ、待つよ。待ちますよ。


『全て整いましたら御招きします』と言ってたし、おにだし。ドコにでも居る隠なのに、あんな力。



はいハイ、わかりました。待ちますよぉ。でも覚えておけ、隠。禍津国まがつくにからほうり出してやる。






「足りないのは水と栄養。発酵はっこうさせた枯葉をき込むか、緑肥用のマメ科の多年草を。ってアレ、外来種よね。」


ブツブツブツ。


「良く無いわ。でも、ちょっと待って。ここ亜空間、いえ異空間。並行世界?」


・・・・・・まっ、いっか。






不毛といっても差し障りない、そんな土地を緑化するため土壌調査を実施。いろいろ判明したので田畑を作り、品種改良した植物の種を撒く。


苗木なえぎも植えた。






「育て! 緑よ。」


生物系、促進の才をふるう。


「オォーン。」 ソダテェェ。






才は特質系、物質系、生物系の三系統に分れる。中には禁忌きんきの才も存在するが生物系、促進の才は植物の生長を早めるもの。



同じ生物系に増大があるが、こちらは禁忌の才。生命体の数を増やして大きくする。けれど、その寿命は短い。


とはいえ数十年は生きるのでジョド大王、支配の才を持つ最後の大王は積極的に活用した。



・・・・・・カー化け王に命じて。


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