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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1606/1622

19-17 折角だし


着る物はある。住む家も出来た。次は食べ物!




「この土、せすぎ。不毛ふもうってホドじゃないけど殺風景、じゃなくて雰囲気がある。」


円柱えんちゅうの外は今も、そんな感じ。


折角せっかくだし、実習用地を緑化りょくかしよう。」


なぎ、ノリノリ。


「そうしましょう。」


清和きよな、尻尾フリフリ。






一体、いつ実習用地になったのか。


それは扨置さておき、腰に撒いていた肩掛を強化。風の才で浮かせ、清和を抱き上げ腰掛ける。






「行くよ、清和。」


「はい、和さま。」




フワリと浮上、ゆっくり発進。いざ、土壌調査へ。






シュタタタタァ。


「申し上げます。」


ひろ隠頭おにがしらほうこうべを垂れる。


「どうしたの、そんなに慌てて。」


ニッコリなさる伊弉冉尊いざなみのみこと


御社おやしろの東に、とても大きな光の柱が現れました。」






ここは伊弉冉社いざなみのやしろ


中津国なかつくに、人のときだと津久間つくまの統べる地。その真下。






「その柱、清らなのかしら。」


「はい。強い清めと守りの力が込められており、近づく事も出来ません。」






恕は忍び。人生を達観たっかんして死んだ、女のおにを中心に構成。


その拠点は人の世、喰谷くたに山にある。



おもに人の世で活動しているが伊弉冉尊公認の隠忍びなので、どんな隠でも恕と喰谷に入山すれば浄化可能。


そのまま合繋谷あつぐだにの滝壺から禍津国まがつくにへ行ける。






「伊弉冉尊。『和』という名に、お心当たりは。」


ドキッ。


右牙滝うきだきで『和音かずね』と名乗る白い大蛇だいじゃが、それはもう嬉しそうにクネクネして居りました。」


それ和音、喜びの舞デス。




あぁ、思い違いでもカン違いでも無いわ。和神なぎのかみの使わしめよ、その蛇。




「他には。」


「はい。霧雲山、嗚山おやまの国守クウが見たそうです。地涯滝ちはてだきの近くで朝日のように輝く髪と、ナギの花のような目をした幼子おさなごの姿を。そのかたわらには化け王のおみ、ブランさまが。」


その幼子、和神ね。


「続けて。」


「はい。鎮森しづめもりの民、オビスから言われました。『強い力に守られた、ナギの花と同じ色の目をした幼子はジロの孫。話し掛けられるまで動くなよ』と。」






和はアンリエヌ国、化け王だからね。基本的に魔物の従者、ブランやネージュたちが付いてマス。


気軽に話し掛けて良い御相手ではアリマセン。






「ジロの孫。」


熊に襲われて死にかけた時、化け王に助けられたトカ。


「伊弉冉尊。ジロの孫は命を落とし、禍津国に来たのですか。祝の力を持ったまま。」


「いいえ、少し違います。ジロの孫は化け王となり、西の果て。テンカイで神と御為り遊ばしました。禍津国へは、飼っていらした御犬を迎えに。」


「・・・・・・その御犬に、何か。」


あったのですね。


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