表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1605/1609

19-16 和は、まだ気付かない


なぎは少し、ほんの少しドキドキした。


先代が残した和専用安全装置が作動して、コレである。






「乗り掛かった船よ! もうあとには引けないわ。」


鼻息が荒い。


「空気ヨォシ、水ヨォシ、光なぁい。なら作ろう。」


無いなら作る。有ったらイイナを形にする。今の和には、その力がある。


「地下空間で太陽をつくるとタイヘンな事になるから、太陽に似た球体を造りましょう。」


うんうん。






太陽は巨大なガスのかたまり


中心部における、原子核反応から得られるエネルギーにより発光する。






「うぅんとぉ。青い炎を出す気体を閉じ込めて、それをボッと燃やす。より先にうつわるよね。」


ポスンとすわってひざかかえ、ウンウンうなる和。オロオロする清和きよな


「考えるな、感じろ。」


理性との戦いに感情が勝利。






両のてのひらを上に向け物質系、創造の才で小さな球体を出す。


その中に水素と酸素、水蒸気を除いた釜戸山の火山ガスを注入。クルクル混ぜたら球体を、より大きな球体の中へ。


時の流れを倍速、その倍速と早めて様子見ようすみ



中心部に熱がまり、高温になった。


水素の原子核が互いに衝突し、核融合反応を起こす。やがて火がともり、発光。






「やったぁ! 出来たよ、お日様。」


正確には太陽もどき。


「生き物の生長せいちょうには月も必要。」


キリリ。


「半分、おおおう。十二時間は出して、十二時間は隠す。うん、月っぽい。」


昼は光源を見せ、夜は光源を天井てんじょうに反射させる。月とは違うが暗くは、なるね。


「この調子でドンドンいってみよう! 緑を増やすよ。と、その前に。」





 

川を造る時、引っこ抜いた木の根をシュパッ。枝打ちしてからクルクル皮むき。切り株を集め、適当な大きさに切断。


まきも材木もキレイに積み上げた。






「これダケあれば、うん。大きな家が建つね。」


と言いながら大岩をバコッと割り、冀召きよしに建てた家の真下に配置。


「やまとは地震が多いから石造より木造、地熱の事を考えて高床式。屋根は大きく、でも軽く。」


と言いながら台石だいいしの上に柱を立てて床を張り、面取めんとりをした三角柱さんかくちゅう校木あぜきを横に組む。


「出来た。」






建てられたのは三軒。校倉造あぜくらづくりの大きな家と食糧庫、コの字型の物置。


物置には材木の余りや薪がドッサリとある。






「和さま、あれは何ですか。」


鼻を上げ、クンクンする清和。


「雲かな。」






深く考えずに広範囲を浄化。光の壁で囲い、天と地を閉ざす。


つまりココは巨大円柱の中。



中津国から水を引いたが、貯水槽の水は才で増やした。


おそらく空間内に気流が生じ、空気中に含まれる水蒸気が変化。浮かび上がったのだろう。






「わぁぁ。」


和さま、スゴイ。






和は、まだ気付かない。り過ぎた事に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ