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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1604/1628

19-15 翼が無くても


冀召きよし真下ましたやしろを建てる許可を取り、清和きよなを連れて移動中。






なぎさま。」


「なぁに、清和。」


「翼が無くても飛べるんですね。」






いやいや飛べないよ。和はね、化け王なの。


物質系、強化の才で肩掛を強化。チョコンと座って清和を抱き寄せ、風の才を使って移動しているダケ。






「化け王だから、いろいろ出来るの。」


「そうなんだぁ。」


キラキラキラキラァ。






清和、少しはうたがう事を覚えよう。



確かにイロイロ出るよ。けれど人とは違う生き物に、はじまりの一族に生まれ変わりました。


カーの血で全細胞が入れ替わり、遺伝子が組み替えられ、人では無くなりました。



はじまりの一族として生まれ、全ての才を収集した化け王カー。その血を残そうにも、残ったのは才を奪われた一族。


次代を望めない。



不老不死だからとノンビリ構えていたが、天界てんかい冥府めいふから仕掛けられた。何とかしようにも何ともナラナイ。


ダメ元で予知した結果、祝の力が必要だと判明。






「化け王って何ですか。」


知らないよね。


「アンリエヌをべる王よ。」


「オウ?」


「そう、王。」






あっ、そうだ。和さまの父さまの父さま。ジロさま。オビスとシロを助けて、オビスに名を付けた狩り人。


シロにシロって名を付けたのはオビス。山の犬は山、里の犬は里で暮らすもの。だから名付けなかったって。



和さまは清和って、名付けてくださったヨ。






「この辺りカナ。」


中津国なかつくに、人のとき。オビスが畑に手を入れ、シロが土竜もぐらを遠ざけている。


「着いたよ、清和。」


フワッと着地し、清和の背を撫でる。それから肩掛を元に戻し、腰に巻いて仁王におう立ち。






「先ずは浄化。」


左手を腰に当て、右手を上げてニコリ。


「うわぁ。」


アッと言う間に一帯を浄化。見渡す限りピッカピカ。見えないけれど光の壁でおおわれ、天も地もふさがれてマス。


「お次は水ね。滝にしたいから、エイッ。」


特質系、土の才で作ったのは滑り台のような山。その頂点の真上に穴を開け、泡湖あぶくのみずうみから水を引く。


「滝だぁぁ。」


ドドドドドォォォ。






霧雲山系の中心にそびえるのは山守山。いただきがあるのは祝辺はふりべで、冀召と大泉の間にあるのが泡湖。


大泉と比べると小さいが、その貯水量はナカナカのモノ。けれど後でシッカリ、キチンと塞ぎます。






「川を造りましょう。」


水を循環させるため特質系、俯瞰ふかんの才をふるう。次に土の才で放射状に掘り、波紋上に繋ぐ。それから台の下にある貯水槽ちょすいそうへ流れるよう、微調整。


「こんなモンかな。」


うんうん、イイ感じ。






わかるよ、清和。そりゃポカンとするよね。あご、外れそうになるよね。


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