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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
台石編
1601/1624

19-12 出すよ、本気


清和きよなの背にまたがり、固く閉じられたふん禍津国まがつくにの食べ物をグイグイ押し付け、押し込もうとする禍津神まがつかみ


御名おな素戔嗚尊すさのおのみこと




「ヒエッ。」


気付けば周囲に、折られた木が突き刺さっていた。天井てんじょうは無いが、有っても無くてもおりである。


「ナッ、何事なにごと。」






なぎが怒っている。それはもう、激しく怒っている。


烈火れっかの如く怒る、その姿は覇王はおうそのもの。






素戔嗚尊が清和の背から退き、木に御触れ遊ばす。が、遅かった。


「ギャアァアァア。」


ワリと強めの電流が流れていた。






和がり折り、投げたのはタダの木ではない。特質系、転化の才により鋼鉄こうてつに変えてある。それを円形にドスドス打ち込み特質系、いかづちの才で電流を流す。


強さは高圧から低圧まで思いのまま。






「伏せ。」


支配の才、発動。


「フギャッ。」


ゴンッ!






電気柵を掴んだままビリビリ為さった禍津神は、ひざを折った状態で腰を落とされた。言うまでも無い事だが、『伏せ』とはうつぶせの事。


はい、その通り。ひたいがパックリ割れました。






「アァァッ。」


正座したまま後方へり、絶叫。


「ヴッ。」






特質系、操作の才で重力百倍。バキバキと骨が折れ、見開く。その目は恐怖に染まり、割れた額から血が噴き出す。



頭部には血管が多く、少し切ったダケで大流血。けれど意識があり、叫ぶ元気があれば放置していても大丈夫。


すっころんで頭を打ち当て、救急車で運ばれた酔っ払いをトイレに押し込み、落ち着かせるじゃない? アレと同じよ♪






「ぁ・・・・・・ゴフッ。」


視界のすみに清和を捕らえ為さり、御手をヒクヒク。その瞬間、容赦ようしゃない重力攻撃により内臓破裂。






カーも和も平和主義者。仁義じんぎを軽んじ、武力や権謀けんぼうもちいて国を治める事をヨシとシナイ。が民が、おみしいたげられれば話は別。


出すよ、本気。






「清和に何をした。」


処置するツモリだった。が、考えが変わった。燃やぁす。骨も残さず、燃やぁす。


「アッ、アッ、アッ。」


紅蓮ぐれんの炎をてのひらに出し、怒り狂う幼女を見て失禁。






もうダメだ。目を閉じた、その時。




「化け王! 和神なぎのかみ御鎮おしづまりください。」


伊弉冉尊いざなみのみことが御声を張り上げ為さった。




母神の登場にホッと為さったのか、素戔嗚尊が御気を失い遊ばす。が、それで許すホド和は甘く無い。




グシャッ。




神で在らせられる。ミンチになっても圧延あつえんされても、しばらくすれば元の御姿に戻られる。ハズ。






「あぁっ。」


無情。


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