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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
156/1570

5-83 考えとは?


「その通り。」


川田の長が言った。


為来しきたりを守れないような村は、助けない。」


ハッキリと大きな声で、蔦山の長。


「どうせすぐ、裏切る。」


アッサリ言い切る、馬守の長。



「い、いいや。そんなことは」


北山の。慌てるほど、知られるぞ。裏切る気だったと。


「信じられませんね。ウチ、攻められましたから。」


岩割。守り切ったが、幾人か死んだと聞いた。ののしり、叫びたいだろうに。怒りを抑えて・・・・・・。




川田も岩割も、攻められた。すぐに勝ったが、傷ついた者もいる。決して、許せない。そもそも、戦を好む国なんて助けたくない。祝辺の守が言うから、話し合うことにした。それだけ。



川田は攻め、蔦山は守り。どちらも強い。戦を嫌い、備えている。


川田は繋がり、蔦山は固め。馬守は、その間。他の村との繋がりを持ちながら、守りを固める。良村も同じ。少し、蔦山寄りか。



玉置、北山、東山、川北、豊田、三鶴。戦好きが考えるコトなんて、同じ。助けたって、すぐに裏切る。そういうモンさ。




「たっ、すけ、あうために、な。」


玉置の長、必死である。


「そ、そうだ。それで、集まった。」


オマエが言うか?




今は助けてもらうために、形振なりふり構わず。そんな所だろう。最も危ういのが、玉置と北山。少しでも多く譲ってもらわなければ、滅びる。



奪おうにも人が、作付けしようにも人が。病に苦しむ人だらけ。嬰児みどりごは死に、残った人は衰え、弱っている。おまけに種籾がない。食べてしまった。




「祝辺の守がおっしゃった。『助け合い、話し合って、生きよ』と。」


「守が下されたのだ。背くのか、三鶴。」


「我らにも、考えがある。」


北山、東山、玉置。揃いも揃って、何を!




「考えとは。」


シキの声が、低い。


「力尽くで奪い取る、か?」


岩割のセキ。争い事を嫌い、備える、良い長だ。



「守は、はじめに仰った。『決して、戦を起こしてはならぬ』と。続いて『助け合い、話し合って、生きよ』と。」


子に言い聞かせるように、シゲが言った。伝わるだろうか。


「どうやら、祝辺の守の思い。此奴等こやつらには、届かぬようだ。」


守り長が、軽く横に首を振った。

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