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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
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5-78 化け王の置き土産


釜戸山で行われる、長たちによる話し合い。和やかなものでは、ないだろう。


シンもセンも、遠くの村や国と付き合っている。仕入れてくるのは、物だけじゃない。他にも、いろいろ入ってくる。


風見かぜみは、玉置を諦めていない。次に攻めて来る時には新しい、戦の物の具が。そうなれば、難しいだろう。



せっかく村を作ったのに、戦なんて嫌だ。良山は守りやすい山だ。戦になっても、守ってやる!


とはいえ、戦になれば誰かが死ぬ。もう誰も失いたくない。死なせたくない。




海の向こうから、新しい技や術。医とかいう、治し、癒すもの。暦や、教えとかいうもの。文字とかいうものも、入って来た。


遠く離れた地では、岡のように大きな墓が。その墓に入れられるのは、大王おおきみとかいうらしい。



獣谷の仕置場に、家を建てようとした風見。熊に狙われて、すぐ逃げた。そこに残された物の中に、鉄器があった。


南の地では具の先に鉄をつけて、楽に耕している。オレたちは使えなかったが、早稲の村でも使っていた。


シンが持ってきたから、良村でも使っている。この地でも使っていると思った。なのに、違った。村でも国でも、使っていない。



戦が終わってすぐ。気になって、獣谷の隠れ里へ行った。その時、ゲンが見せてくれた。この度の戦で、風見が持ち込もうとした、全て。


鉄が多かった。鉄の刃、鉄の矢尻、刀。漆より強い、戦の物の具。そんなものが、ドッサリあった。




化け王の国。アンリエヌは、霧雲山の統べる地よりずっと広い。その広い地を臣下と共に、治めている。


才があっても、一人では守れない。それが『国』というものらしい。



ローマとかいう大きな国は、他の国を取り込みながら大きくなり、帝国となった。それなのに戦、戦で、更に広げている。


アンリエヌはローマと離れているから、まだ仕掛けられていないそうだ。



化け王がゲンに話した、海の向こうの話。アンリエヌやローマ。ギリシア、エジプト、インド、ペルシア。大きな国が、たくさん。



国が国を取って、大きな国になった。その大きな国が、他の大きな国を取って、更に大きな国になった。その更に大きな国が、他の大きな国と取って、とんでもなく大きな国に。



良村を守るためにもガツンとちのめして、気づかせるか。




シゲはシバを誘って、舟で向かった。馬ではなく舟で行くことにしたのは、先に聞かせて力になって貰おうと思ったから。


ポツリ、ポツリと話すシゲ。黙って聞きながら、シバは悟る。このままでは南の大きな国に全て、奪われてしまうと。


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