表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
継承編
1501/1601

18-2 守れるなら、どんな事をしても


ナタはジロとしか外出しない。さん出不精でぶしょう、ではナクおうちダイスキっ子。


お使いをになうのは悪意や敵意など、わざわいもたらすモノをはじく力があるひと






「おや、早かったね。」


璨にも單にも見える目は無い。けれど、その姿を見せているオビスとシロは別。


「また狙われたの?」


木の実を採りに行く。そう言って出掛けてから、そんなに経ってイナイ。


「うん。まぁ、いろいろ。」






山守の民は減り、風通しも日当たりも悪い村は荒れ果てた。結果、生き残りは山越を目指す。けれど受け入れられず、そのまま森で死ぬと聞く。



山越の民も減っている。山守の民が持ち込んだ、いや散蒔ばらまいた病が流れたのだ。生き残りは恐れた。


病によって起こるアレコレが、その体に現れた者を見て。



村外れに移り住んだ者の中には山越で生まれ、山守を嫌って近づかなかった者も居た。けれど親、その親は山守の生まれ。






「死んだの?」


サラリと恐ろしいコトを。


「・・・・・・だと、思う。」






オビスもシロも他のおにやら何やらを遠ざけ、守ってくれている。だから、だろうか。他の人より森に入る事が多い。


初めは怖がって泣いた。けれど優しい目をしているし、不用意に近づかない。鎮森しづめもりで暮らす心優しい隠と犬だ。そのうち慣れた。






「また来たのね。」


水を操る力を生まれ持った璨は姉、ナエを見て思った。力を強めなければアブナイと。


りないなぁ。」


アレコレ弾く力を持つ單でも、この手合いはドウしようもない。


「で、採れた?」


甘い木の実。






ジロが村外れに建てたのは高床式住居、森の中に作ったのはツリーハウス。どちらも囲まれると逃げられないが今のところ、何の問題もない。


ナタには先読の力、夜ごと泊まりに来るのぶには先見の力があるから。






「あっ。」


木の実を入れた籠、森に置いてきちゃった。


「取りに戻るのは、アブナイわね。」


オビスに見つめられ、しょんぼり。


「また取りに行こう。」


「そうね。」


見つめ合う夕とナエ。






ナタは思う。このまま何も起こらず、ずっと幸せに暮らせれば良いのにと。


ナエを産んで先読の力を失った。だから何も、どんなに望んでも分からない。それでも、これから起こる事は覚えている。






「こわい。」


ナエと夕の末の子が、とても強い力を生まれ持つ。その力は鎮森に守られるのに、あの子は命を落とす。死んでしまう。


「どうして。」


強い力を生まれ持ったダケなのに、それダケなのに狙われるなんて。襲われるなんて信じられない。


「守りたい。」


守れるなら、どんな事をしても守りたい。けれど変わる。ドンドンくるくる、ガラリと変わるの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ