18-1 報い
新章スタート!
仲良くスクスク育った夕とナエが結婚。愛の結晶、ポコポコ誕生。新たな子を身籠った時、力が継承される事を知る。
ジロは願う。化け王になる孫娘がアンリエヌで、化け王城で幸せに暮らすことを。人として生まれ、人と違う生き物になっても愛されることを。
継承編、はじまります。
スクスク育った夕とナエ。今日も仲良く手を繋ぎ、鎮野社へ向かう。
祝の力を生まれ持ち、親元から社に通う継ぐ子は多い。けれど夕とナタは別格。
鎮森の愛し子ユタと先代の先見さま、嚴との間に生まれた夕も整った容姿をしている。
少し考えてみよう。
黒目黒髪の平たい顔をした人の中に、パッチリお目目と口元はナタ似。瞳と髪色、彫の深い顔はジロ似の美少女が居ればドウなるかを。
「ハァハァハァ、ジュルリ。ナぁエぇぇ。」
腰巻がハラリと落ち、一物がコンニチハ。
「見るな!」
素早く駆け寄り、ナエの目を覆うオビス。
「ギャッ。」
変態に飛び掛かったのはシロ。
天寿を全うした白子特典か、鎮森から力を授かった。結果、姿を見せられるようになる。とはいえ疲れる。
しかし、そんなコト言ってイラレナイ。
「何を・・・・・・。」
変態のソレをガブリ。そのまま食い千切り、ペッと吐き出した。
強制的に去勢された変態は多い。
破落戸だったり与太者だったり、地回りだったり手余し者だったりイロイロ。
「えっ。」
倅が、お股にいた倅が居ない。
「ギャァァァ。」
大きかった倅が小さくなって、土の上で倒れている。
ココは鎮森、の奥。
人語を操る民は見向きもシナイが毛深く、四つ足で生活する生き物は違う。
「止めろぉ。」
どこの馬の骨ともワカラナイ獣に、ケダモノに倅が狙われている。このままでは倅が、倅が食われてしまう。
「あっ。」
最初に手を出したのは鼠。
クンクンしてから齧り、モグモグごっくん。他とは異なる食感を堪能していたのか、それとも食中りか。いや呪いカモしれない。
悲劇は続く。
鼠の背後に腹ペコ猪が現れ、動けなくなった鼠をガブリ。倅を失った変態は見開き、言葉を失う。
「ち、近づくな。」
お股から血を流す変態が腰を抜かす。その目は恐怖に支配され、倅を失った痛みを上回る。
「たっ、たすけて。」
少し前まで元気だったのに、美しいモノを穢す気マンマンだったのにドウシテ。
倅の正式名称は陰茎。体内受精を行う動物が有する、雌の体内へ精子を送り込む雄性交尾器官。
形態は種類によって異なるが、基本的には一対の陰茎海綿体と尿道を取り巻く尿道海綿体。それに続く亀頭からなる。
陰茎の勃起の際、重要な役割を果たすのが海綿体。
海綿状の管腔に大量の血液が流れ込むことによって、海綿腔が血圧で拡張。充血して勃起が起こる。となると?
「来るな。」
血の臭いに釣られて集まった獣たち。尻をつき、股を開いたまま動けない変態。
「ギャァァ。」
ナエはオビスに抱えられ、夕はシロの背に乗せられ、安全な場所へ避難。残された男は突然の事に混乱し、反応が遅れた。
とはいえコレは無い。
猪は夜行性。その性質は荒荒しく、走り出すと容易に曲がれない。
モチロン雑食性。




