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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
再生編
1496/1598

17-63 天界産を消費できるのは


神肉を食したことで呪われ、不老不死ふろうふしとなったアルジャン。火に対する恐怖を克服したが、炎はまだチョッピリ怖い。


とはいえソレは平時での事。






「ここはアンリエヌ。アンリエヌにはアンリエヌの法があり、法を守れぬなら死、あるのみ。」


不法滞在は即、強制送還。アンリエヌの民に危害を加えれば問答無用で拘束こうそくし、裁判ナシで死刑執行。


「なっ、そんな事が許されるとでも。」


許されるよ。だってココ、アンリエヌ国内だもの。


「神におそれを感じぬとは。」


「・・・・・・鳥の神、なのか?」


アルジャンが首をかしげる。




天使軍団、ムッキィ。やじりに酒を浸した綿をズボッと刺し、鼻で笑いながら点火。一斉に放つ。


犬を仕留められなくても、矢が落ちれば火の海になる。そうなれば多くの人が命を落とし、天界への土産みやげが増えるだろう。




「エッ。」


ココ、ドコ。




目玉、目玉、目玉。見渡す限り、目玉の海。手を伸ばそうとして気付く。体が無い事に。




「天界産を消費できるのは、はじまりの一族だけなのだが。」


残っているのは化け王、カー。大王エド、王弟ジャド、王妹ウィ。


「ばっ、化け王。」


天界の生き物を消滅させられないダケで、その血肉を処理する事は出来る。


「天使の出生率が上がっても、幼体や成体の死亡率が上がれば困るだろうに。」




神肉を食せば呪われ、不老不死となる。アルジャンが身をもって証明した。


けれど才を奪われて吸血鬼化し、条件付き不死となったエドたちは例外。




「こちらは困らぬがな。」


エドとジャドは『あぁ、そうか』程度。しかし紅一点、ウィは狂喜乱舞きょうきらんぶ


不死にはナレナイが若返り、往年おうねんの華やかさを取り戻す。


「バケモノ。」


一国の王に対し、ソレは無いんじゃナイの?






お肌プルプル、お尻プリッ。垂れていた胸も元通りになり喜ぶウィを見てカーは思った。神肉の安全性に問題が無ければ、国策として推進するのにと。



若返りを目的とする医療・美容はもうかる。アンリエヌ国内で受け入れるのは難しいが、タルシェならソレが可能。


権力者や金持ちからタップリふんだくり、ではなく頂こう。そう考えた。



アンリエヌは山国。


各種技術が向上しても、思うように上がらないのが食料自給率。タルシェを飛び地にしたが島。平地は少なく、土壌も農耕には不向き。



とはいえオリーブに葡萄ぶどう、海のさちにも恵まれている。オリーブや魚介類を使った料理、ポリフェノールを多く含む葡萄酒を振舞えばイケル。


・・・・・・ハズだった。






「天界へ戻り、伝えよ。『アンリエヌに手を出すな』と。」


神肉を食せるのは、はじまりの一族に限られる。他は呪われ、不老不死となってしまうから。


「何が狙いだ。」


狙いも何も無い。ただ、ただ迷惑なダケ。


「食い散らかすなら他へ行け。」






カーも不老不死だ。けれど次代が生まれれれば、その生を終える。


エドたちとの違いは才の有無。


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