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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
再生編
1453/1629

17-20 目的


新たな一族の新種を食らった事で、はじまりの一族であるエド、ジャド、ウィの体も変異した。


全身の血を入れ替えても元に戻れない。だから忘れさせ、少量の肉でも生きられる。そう思い込ませ、馴染むまで待つ。






「残るは。」


カーは知っていた。けれど放っていたのは、それが必要だったから。


「二つの色を持つ者よ、その姿を現せ。」


隠れても無駄ムダ。


「・・・・・・そうか。」






アミが目を剥き、口をハクハクさせながらのどを引っ掻く。おのの身に何が起きているのか、さっぱり分からない。


けれど一つだけ確かな事がある。






「バゲオヴ。」


全ての才を収集した化け王に勝てる者はイナイ。昔、親から聞かされた話を思い出す。


「ドウジデ。」


地下で生まれ育ったがアンリエヌの民。こんなに辛く、苦しい思いをするとは思わなかった。






ジロの子か孫か、その孫の誰かが器になる。


幾度も確かめたが、その度に変わってしまう。はじまりの一族は人類とは違うのだ。次代の器になり得ない。そう思ったが、もし。そう考えて驚く。



化け王は孤独だ。三歳で即位させられ、歴代の思いも引き継ぐ。


全ての才は収集済。仮に代替わりしてもブラン、ネージュ、リュンヌ、アルバ、ヴァイスが支えてくれるだろう。






「苦しみながら死ぬか。」


イヤダ。


「そのうち慣れるだろう。」


マテナイ。






生き残ったのに、力を得たのに死ねるか!


王族に、大王に取り入って地上に出る。飽きるまで啜ったら国を出て、旅に生きるんだ。



はじまりの一族にはかなわないが、新たな一族は人類より強い。


アンリエヌの外なら何をしても、どんなに暴れてもとがめられないハズ。






「ジンデタマルガァ。」


せっかく生き残ったのに、やっと解放されたのに。


「ゴンナドゴロデ、ヲワレナイ。」






エドたちが食らった新種は、その身に毒を宿していた。


便宜べんぎ的に新種と呼ばれているが、親と明らかに異なった形質が突然、出現した個体が元になっている。




向こう見ずな性格の子が集まって、内向的な子をまとに選ぶ。除け者にした翌日から無視。その翌日から暴言を吐き、精神的に追い詰めてゆく。


笑わなくなったら仕上げ。


死刑宣告をしてから行動の自由を奪い、閉鎖された刑場に放置するのだ。




旧王城地下で暮らすアンリエヌの民は、男も女も生涯に持てる子は一子。双生児で無い限り、第二子は望めない。


だから、だろうか。協調性や思いやり、規範意識の欠如した我儘で、自己中心的な子が激増。




新しい的に死刑宣告し、刑場に連れてきた残虐非道な連中は驚く。処分したハズのオモチャが生きていたから。


その知らせを受けたのが、危険な実験を繰り返す科学者。




酷い話だ。被害者は被験者となり、生きたまま切り刻まれる。


培養されたソレを移植されたのは、死刑ごっこを楽しんでいたクズ。






「ヤリダイゴド、ヤリノゴジダゴドガ、イッパイアルノニ! ナノニ、ダガラ、ダガラジネナイ。」


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