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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
再生編
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17-15 求道の一種ですか


『堕天使の正餐』を堪能した五臣下は、体調不良を起こすコトなく元気いっぱい。不死になったのかドウか分からないが、そのうちハッキリするだろう。



ブランたちが永遠の命に興味を持ったのは、主君である化け王が不老不死だから。たとえ不死になれなくても、少しでも長く傍に居たい。


そう思ったから。






「もう二度と化け王城に、アンリエヌに近づきません。神に誓います。」


いやいや、その神に反逆したんだよね。


「悪魔、嘘つかない。」


敵対者が何を言っても、説得力ゼロ。




トントン。


「失礼します。蠅王を、お連れしました。」


ヴァイスの足元に転がっているのは、蠅取紙に巻かれた蠅王。


「おやおや。」


化け王への謁見を許される前に突撃したんだネ。


「化け王に於かれては、ご健勝のことと拝察はいさつ申し上げます。」


キュルン。






堕天使組合の頭領を迎えに参りました。何となく透けて見えますが、生きているようなのでヨシとしましょう。


えっ、食した。・・・・・・それは何というか、求道の一種ですか。



天使の肉を食べれば永遠の命を、なんて話。エッ、信じた。堕天使の正餐? あぁ、心惹かれる甘美な響き。


お相伴させていただいてもよろしいでしょうか。






「ベル、お前。」


「何ですか、その顔は。」




主人を食われたのに抗議せず、お相伴に。なんて言う臣下は要らない。そうですか、そうですか。




「恐れながら化け王。化け王城に欠員などは。」


ベタベタ蠅王、転職する気マンマン。


「ベル!」


明けの明星、大慌て。


「現時点では、生じておらぬ。」


その予定もナシ。






魔界は現代日本同様、働き方改革が進まず真っ黒クロ。職場のアチコチに『定時退勤』とか、『花金まで〇〇日』と書かれた紙が貼られている。



お察しの通り、サビ残上等の劣悪環境。


そもそもサービス残業ってナニ。労働基準監督署って一体、何のために存在するの。労働基準法、遵守させてよ。




因みに花金とは『花の金曜日』を省略したモノ。一週間の勤務が済み、土曜・日曜の休みを控えた心ウキウキ金曜日をさす。


いやいや、早く帰って休みたいよ。バタンキューだよ、クタクタだよ。



2017年、平成九年二月より実施されたプレミアムフライデー。アレも掛け声ダケだよね。


月末の金曜日を15時終業にして、働き方の改革と消費の活性化を目指そうとする取り組み? ナニソレ、オイシイノ。






「ベルが冷たい。」


「給料上げてください。無理なら勤務時間を短縮して。休日増やして割増金も払って。あぁ、そういえば期末手当。一体いつ支払われるんですか。」






蠅王に首根っこ掴まれ、ズルズル引き摺られる最高位堕天使。抵抗しなかったのは少しでも早く、魔界に帰りたかったから。



食材にされたからネ。切り刻まれたからネ。何度も何度も繰り返し再生して、自力では上手うまく歩けなくナリマシタ。


しっかり休めば元通りになる、と思うよ。多分。


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