表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
再生編
1445/1601

17-12 ねぇよ


新たな一族もアンリエヌの民だ。


義務教育を受けているが、高等教育を受けられるのは成績優秀者のみ。勤労したくても職が無く、納税したくても金が無い。


だから配給制度があり、最低限度の生活が保障されている。






「でもココには、旧王城地下には自由が無い。」


「あのなぁ。自由ってのは等しく、責任を伴うモノなんだ。」






クアの伯父は幼少期から変わり者で、いつも醒めた目で状況を見つめていたと聞く。


三度目の挑戦で国家校務員試験に合格すると、必要最低限の荷物を持って家出。手紙一通、寄越さないトカ。



クアは口に出さないが、離宮地下で暮らす伯父を尊敬している。


国家公務員試験を受けるため、高等教育課程を修めたい。そう言って親や親類を困らせ、孤立しても行いを改めない。






「自由なんだから何をしたって良いハズだ。」


「ナニ言ってんの。誰も彼も心のまま、思う通り、勝手気ままに行動すればドウなる。考えなくても分かるだろう。」


「そっ、それでも強制や命令を受けることなく、自分の思い通りに生きる権利はある。」


「ねぇよ。」


アミを見るクアの目がスッと冷たくなった。






アミは悪い意味で箱入り。


クアはおのも高等教育を受けたいと考えているが、家族に理解されず孤立していた。シアも同様だが、己の能力では難しいと理解している。






「シア、黙ってナイで何か言ってくれよ。」


「悪いな、アミ。オレもクアと同じ考えだ。」


「・・・・・・ナンデ。」






エド大王もジャド大臣もウィ大臣も、お飾りだが化け王の兄姉。


はじまりの一族、それも王族だ。取り入れば側近に。そう考えてもオカシク無い。なのにドウして、そんな目で見るんだよ。


めてくれ。






「新たな一族は王族の、才能を奪われた王族の希望だったハズだ。化け王に敗れたケド今も、こうして生きている。」


そうだね。


「だから大王に会って伝えるんだ。化け王を玉座から引き摺り下ろし、アンリエヌを牛耳ぎゅうじりましょうって。」


「いやムリ。」


「オレもムリ。」






アンリエヌに大王と化け王が居るのは、その一方が破滅に向かうのを止めるため。アンリエヌの民の生命・財産を守るため。


支配者になって組織を、国を思いのままに動かす? 寝言なら寝て言え。そんな力がドコに有るんだ。






「本当、甘ちゃんだよな。」


シアの言葉がアミの心にブサリと突き刺さる。


「世間知らずってヤツ?」


クアに言われ、泣きたくなった。






考えを突き詰めず、好い加減でヨシとする。確かにソウだ。世間に対する認識だって甘いし、何より厳しさが足りない。


自分に甘く相手に厳しい。そんなのに傾倒する、協力するヤツが居たら会わせてくれ。誰だってソウ思う。分かっているんだ。


嫌と言うホド理解している。






「確かに甘ちゃんだし、世間知らずだよ。」


アミ、逆ギレ。


「けどさ、同じだろ。」


シアとクア、揃ってドキリ。


「何もしないでグジグジするより、行動しようぜ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ