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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
144/1573

5-71 各社、大騒ぎ


霧雲山が統べる地、すべて。このたびは・・・・・・。釜戸山の灰が降る、すべての地。それで、良い。


平良ひら、これへ。」


サッと、平良の烏が平伏ひれふした。


山守社やまもりのやしろへ、先触れを。」


「はい。」





山守神やまもりのかみ。祝辺の守より、先触れが。」


「そうですか。」





「そんなに、お嫌ですか。」


「早すぎる。まことに、人の守か。」


「はい。今は、まだ。」


「・・・・・・で?」



「人ならざるモノ。山裾の地で、うごめいております。」


「そう。守なら、祓えるでしょう。」


「山裾の地は、霧雲山の統べる地。山守神、どうか。」


「でも、ね。私より、強いでしょう。」



「統べる地を治めるのは、神。祝辺の守は、霧雲山を。お忘れですか。」


「忘れてなど。」


人柱ひとばしらばかり求めると、いつまで?」


「そ、んな。求めてなど。・・・・・・ハァ。分かりました。動きます。動けば良いのでしょう?」



人柱なんて、欲しくない。なのに、山守社の祝。繰り返し、繰り返し、送りつけて来る。


祝辺の守にも伝えたのに、知らんぷり。



「シズエ。釜戸山の灰が降る、すべての社へ。『使わしめを、霧雲山。山守社へ』と。」


「はい。」




あちこちの社へ、山守神の使い、山越烏やまごえがらすが。それはもう、大騒ぎ。たとえば・・・・・・。



釜戸山。釜戸神かまどのかみの使わしめ、ポコ。ひっくり返り、祝エイに助けられる。


蔦山。蔦神つたのかみの使わしめ、ミャア。飛んで来た烏を見て、強烈な体験の記憶を思い出し、神のふところへ。ヨシヨシと撫でて頂く。



乱雲山。雲井神くもいのかみの使わしめ、ゴロゴロ。思わず、ニャアァァァと絶叫。祝フクに、モフモフされる。


日吉山。日吉神ひよしのかみの使わしめ、クロ。木の実を喉に詰まらせ、神に背をポンポンして頂く。


岩割山。水勢神みずせのかみの使わしめ、シラユキ。夢でも見ているのかと、水の中へ。蛙を飲み込み、やっと落ち着く。



他の山も、同じようなもの。祝辺の守ではなく、山守神の使いが。


平良の烏より大きな、山越烏やまごえがらす。いつもは悠然と飛ぶが、急ぎ届けるため、文字通り、飛んで来た。


しかも、長距離飛行でクタクタ。加えて、ボロボロ。



驚くな、とは言えない。迫力あるよ、大きな烏って。



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