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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1430/1603

16-85 助けたのは


山守のおさせがれとして生まれ、えて動けなくなって死んだ。そのむくろに入ったおには皆、山守に殺された子。






「あの子たち、どうする。」


さらわれた子でしょう?」


やしろが引き取る、のかな。」




オビスの中で隠たちが話し合う。


山守の民は嫌いだが、山守の民に攫われた子をドウコウする気はナイ。それよりだ。そろそろ夜明け、朝が来る。




「戻そう。」


「そうだね。」




山守の民が流した血やら、飛んできたはらわたがベッタリついているケド気にしない。そのままでもひとやだ、気付かれる事はナイだろう。


他の守が乗り込んで来る前に八を戻せば、いつかまた使える日が来る。それまで待って確かめよう。生き残りがドウ動くか、どう育つかを。






「誰か、誰か助けて。」


この声は、乙女!


「今すぐ会いに行くよ。」


ジロが駆ける。森の中を全力で、幸せそうな顔をして駆ける。






オビスと別れ、鎮森しづめもりを南に進んだ。ズンズン進んで見つけた沢を飛び越え、何となく東に進む。


鳥や兎を見つければ狩り、血抜きして腸を抜いたら羽をむしって食べる。人の悲鳴を聞いたのは、狩ったうさぎさばいていた時。






「お待たせしました。トゥッ!」


熊の前に躍り出たジロが急所を狙い、アッサリ倒す。


「ふぅ。」


さわやかに微笑み、振り返ると・・・・・・。


「そうだよね。」


助けたのは乙女ではなく、男でした。






森が騒ぐから、遠くから確かめようと思って入ったんだ。そしたら熊と目が合って、ゆっくり後退あとずさる。


いつもならソレで何とかなるのに転んじゃった。



真っ先に浮かんだのはよしの顔。


どんな姿になっても帰らなきゃ、戻らなきゃイケナイ。そう思った時に現れたのが、ん。誰だ、この人。






「ありがとうございます。助かりました。鎮野の継ぐ子、ユタです。」


フラフラと立ち上がり、一礼してからニコリ。


「はじめまして。乱雲山、なごみのジロです。」


ニコッ。




ユタか、良い名だ。


姉か妹が居るカモしれない。ほんの少しガッカリしたケド、にこやかに握手だ。いや、その前に確かめなければイケナイ。




「どこか痛みますか。」


熊に背を向けず、後退ったのだろう。尻と両の手を土につけていた。だから足をくじいたり、手を痛めてもオカシクない。


「思い切り尻を打ちましたが、この通りです。お気遣い、ありがとうございます。」




落ち着いているなぁ。


きっと乱雲山、乱雲山? 霧雲山には多くの山がある。けれど乱雲山なんて山は、この御山には無い。となると他から。



いやいや、この山は祝辺はふりべもりが守っているんだ。守の許し無く入れない。




「乱雲山とおっしゃいましたが、あの? 隠を裁く。」


「はい。その乱雲山です。」


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