表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1420/1630

16-75 戻れない


はじまりの一族が建国したアンリエヌは、人と魔物が暮らす国。


はじまりの一族は、その姿は同じだが人ではない。生きるために命を吸い、楽しむために魂を奪う。嗜好品として血を飲んだり、食事を楽しむこともある。



はじまりの一族から才を奪えば、ただの非力なバケモノだ。空腹を満たすために動物を襲い、生き血をすすって命を繋ぐ。


けれど、そう長くは続かない。






「今、やっと解ったよ。」


氷炭相容ひょうたんあいいれない仲ってのは、何をドウしたって合わない。だから国民は皆、カー王の即位を喜んだ。


「スゴイな。」


化け王って。






人のもり祝辺はふりべから、おにの守は霧雲山の統べる地から出ようとシナイ。それが祝辺の守。


が人の守だった時、出ようとしたが森にはばまれた。鎮森しづめもりから警戒されて。



鎮森の中で祝辺の守が襲われたら、森の生き物が動く。けれど八は瀕死の状態なのに、動物も植物も隠も知らんぷり。






「シブトイな。」


まだ消えないよ、どうしよう。


「頭や胸をつらぬいても、四肢ししを飛ばされても戻るなんて。」


プラナリア並の再生能力だな。


「細かく刻んで、そのまま燃やすか。」


全ての細胞核を破壊するのは難しい。






何だ、この生き物は。サラリと恐ろしい事を。待て、つるぎを抜くな。おいチビ、笑ってナイで止めろ。


マズイまずいゾ。このままでは・・・・・・死ぬ?


いや隠だ。死ぬ事は、ない。と思う。






「ギャァァァァァァァァッ。」


たぁすぅけぇてぇぇぇ。お願い!






いつもならフラリと、とつ守が現れるのに。呼んでなくても現れるのに、どうして来ない。


木よ草よ隠よ、獣たちよ。頼む、とつ守に伝えてくれ。八が危ないと。



あぁ、どうして。どうして一隠も来ない。そうか、見捨てられたのか。これでも隠の守だ、消える事は無い。


だからって見捨てるのか、この八を。






うるさい。」


もろくなっていた頭蓋をスパンと切られ、っ二つ。それを見つめるオビス。隠の守の再生能力に興味津津きょうみしんしん


「うわぁ、シワシワだ。」


頭蓋腔内で脳髄膜に包まれ、守られているハズの脳髄が出た。それを転がっていたてのひらサイズの小石で潰し、毒を仕込んでからパチクリまばたき。


「ビチャッとした。」


こうなると隠でも、祝辺の守でも元通りになるとは限らない。何らかの後遺症が残るだろう。




「さぁ、行こう。」


「行くって、どこへ?」


「オビスの家さ。」






オビスの体は口減くちべらしのため、山守神やまもりのかみささげられたモノ。山守の村長むらおさせがれだったのだ。もし戻れば直ぐに気付かれ、追い返されるだろう。


なかいっぱい食べて、ワンワン泣いてスッキリした。けれど戻れない。


鎮森に隠れ住み、山守の民を一人づつ消していたから。






「おじさん、あのね。」


これから話す事、聞いてくれる?


「なんだい。」


聞いても嫌いにならないで。


「あの、あのね。」


嫌われたら、どうしよう。


「あのね。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ