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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1416/1632

16-71 隠の血となれ、肉となれ


キュルルルルゥゥ。ジュルリ。


「このままじゃ食べられないよ。だからね、枯れ枝を集めて火をおこそう。」


コクン。






熊肉には身体を温める効果や、高い滋養効果がある。また美肌効果があるといわれるコラーゲンが含まれ、特に珍重されるのがてのひら






「いただきます。」


パクリ。モグモグ、ごっくん。


美味おいしい。」






いつも焼かずに、そのまま食らいついていた。


知らなかったよ。焼くと、こんなに美味しくなるんだ。美味しくて美味しくて止らない。



熊肉をペロリと平らげ、満足げに腹をさする。おなかイッパイになって眠くなったのか、目をショボショボさせはじめた。






「おじさん、人?」


「そうだよ。」


「何か違う気がする。だからね、離れて。」


眠そうにしていたのに、どうしたのだろう。


「助けてくれて、ありがとう。もう直ぐ来るよ。だからアッチ、アッチへ逃げて。」






幼子おさなご口減くちべらしのため、山守神やまもりのかみささげられた。そのむくろに闇堕ちした山守のおにが入り妖怪化。


鎮森しづめもりに入ったのは山守の民と戦い、勝つため。食べ物を探し、力を付けるため。






「助けてくれて、熊肉を食べさせてくれてありがとう。」


食べても食べても満たされず、思うように動けない。そんな時、熊に襲われかけた。


このまま動かなければ、また死ねば死ねるかな。そう思った時、現れたのがジロ。


「とっても嬉しかったよ。」


ボロボロ泣きながら微笑む。






山守の民は頭がオカシイ。他の里や村に押し入ってさらうのは、いつも十か十一の幼子。


攫われ子は男も女も朝、早くから夜、遅くまで働かされる。食べ物を貰えるのは、良くて日に一度ひとたび。それも薄いかゆを、小さな椀に少しだけ。






「オビス?」


祝辺はふりべもりはね、強い力を持つ人を攫うんだ。祝の力を使って、逆らえなくするんだ。だから逃げて。」


「・・・・・・分かった。また会おうな、オビス。」


「うん、またね。」






ジロが立ち去ったのを確かめてから、反対方向へ駆け出した。少しでもジロを祝辺の守から遠ざけるために、おとりになるツモリで。






「闇堕ちか。」


祝社はふりのやしろの問題児、がニヤリ。


「祝辺の真名まな呼びだな。」






祝辺の守は知っている。山守が何をしているのか、知っていて何もしない。だから敵だ。



霧雲山の統べる地のおさは人の守。それを支え、霧雲山を守るのは隠の守。そう聞いた。なのに祝辺の守は動こうとしない。


人も隠も。






い目をしている。」


見るな、気持ち悪い。


「どれだけ食ったら、そんな姿になるんだ。」


そんな姿って。


「頭には曲がった角、裂けた口からは牙。それも大きいのが二つづつ。」


エッ。


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