表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1401/1602

16-56 誘惑に負けません


ジロは人、はじまりの一族ではナイ。なのでジロの体にカーも入っている。執務を熟すのはジロが眠っている間。


短時間で済ませるが、まれに日付が変わる事も。






「うぅん、眠い。」


うつらうつら、ポフッ。




アンリエヌは他国より何やカンや進み過ぎて、同じ惑星とは思えないホド違う。


はじまりの一族が治める国だ。当然と言えば当然だが、このままでは困ったコトになるゾ。




「羽毛布団は、その気になれば作れるだろう。しかし、どう考えても。」


「衝撃吸収材だっけぇ。」


ムニャムニャ。






エンが暮らしていたほらは、今も霧雲山系の崖にある。


鳥の谷の洞より狭いが医療設備は充実。化け王を除けば、特命を受けたおみにしか出入り出来ない。



はじまりの一族でも床擦とこずれする。


だからカーはエンのため、低反発素材の研究を開始。他にもアレコレ開発し、その最期を看取った。






「寝台を硬くするか。」


このまま戻せば、きっと寝不足になる。


「起きなさい、ジロ。」


「うぅん、もうちょっと。」


スピィィ。




起きないなら仕方がない。


二度寝したジロに代わり、表に出たカーは身支度して執務室へ向かう。




「カーさま、おはようございます。」


「おはよう、アルバ。」






アルバは金目白毛の梟の魔物で、魔物文官では一番の古株。『アンリエヌの生き字引』と呼ばれている。好きな食べ物は腸詰。趣味は読書、特技は情報処理。


座右の銘は『夜更かしは美容の敵』。



幼少期は夜行性だったが不眠症になり、夜昼逆転生活を送るようになった。とはいえ明るいのは苦手。特別に用意されたのは、暗くて風通しが良い執務室。


モチロン個室デス。






「本日の朝食はチーズトースト、温野菜サラダ、コーンポタージュスープです。」


はじまりの一族は命を吸って生きている。けれど今はジロの体に入っているので、三食しっかり食べます。


「ありがとう。」






良く寝た・・・・・・って、瓶詰生活に逆戻り? 聞いてナイよ。


もしもぉし。聞こえますか、カー様。支えナシでも歩けるよう、今日も張り切って訓練します。だからソロソロ、宜しいでしょうか。



困った、ドウしよう。でもソウだなぁ。


良く考え、いや考えなくてもフカフカな寝具で眠れるのはアンリエヌだけ。やまとじゃ考えられない。






「ほう、気が付いたか。」


「グッスリと眠っていたダケだよ。」


「そうでは無い。寝具の話だ。」






思うように動けるようになるまで不老となり、化け王城内で生活する事になった。なのに睡魔に負けて二度寝。


シッカリしろ、ジロ。運命の相手と運命の出会いをして、愛し愛されて幸せに暮らすんだろう。父さんと同じは無理でも、今より強くならなきゃイケナイ。






「もう、誘惑に負けません。」


キリッ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ