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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
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5-67 聞くに堪えない


「カッ!」


「キュッ?」


キラもコンも、ビックリ。


「カ、カカッ!」


クロ。思わず、叫ぶ。


「ど、どうした。」


ゴロゴロも、ビックリ。


「祝から、言の葉を。」


いくら慌てていたとはいえ・・・・・・。釜戸社の祝、エイなら言うでしょう。この忘れん坊!と。




「私どもに出来る限り、力を尽くします。そう、お伝え下さい。」


雲井社の祝、フク。落ち着いて、ニッコリ。


「ありがとうございます。」


日吉神の使わしめ、クロ。ホッとする。




「なんと、愚かな。いくら何でも、酷すぎる。」


「食べ物が減ったのなら、他の村に頼めば。」


「そうだ。話せば、譲ってもらえたはず。」


「それを、奪うために戦など。」


「あちこち仕掛けて、負けて、負けて。さらに仕掛けるとは。」



「皆さん、聞いて下さい。」


フクの一声で、静まり返る。


「山は違えど、山神に仕える祝の願い。出来る限り、叶えたく。」



山裾の地で繰り広げられた、戦の話。すべて、聞くに堪えないものだった。



「あの、宜しいでしょうか。」


コウが言った。


「どうぞ。」


フクから許しが出た。


「玉置、北山、東山。すべて戦好きですが、おかしいと思います。しき妖怪に、操られているのでは。」


悪意おいは祝辺の守に祓われた。しかし、他にも悪しき妖怪が、いるのかもしれない。



「フム。コウよ、良く気がついた。」


「他にも、か。」


「これほど多くの魂を狙う、となると。」


三妖怪、考え込む。



「コウ。妖怪が、見えるのか?」


「はい。見えるように、なりました。」


悪しき妖怪の話が出て、ザワザワしていた。しかし、妖怪が見えると聞き、再び、静まり返る。



「祝。コウを、日吉山へ。」


祝人はふりとの言の葉を聞き、フクが叫ぶ。


「なりません。コウもツウも、乱雲山から、一歩も出しません!」


二人は、霧雲山から託された子。何が何でも、守らなければ。



「日吉社へ、使いを出しましょう。戦が終わるまで、幼子を預かると。」


社の司、ツル。静かに言った。


「そうですね。皆さん、宜しいか。」



日吉山の次は、乱雲山が狙われるかもしれない。幸い、食べ物の備えは多い。


乱雲山で、預かることが出来なかった子は、釜戸山に託せば良い。



妖怪のことは妖怪に任せ、日吉山を守る手助けは、人の手で。ということになった。

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