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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1396/1595

16-51 何をドウしたって入り込めない


山守のたみさらわれたと、そう思っていた。違うと気付いたのは力を、この力を強めるてだてを試された時。


死んで初めて、まことの敵を知る。






よし、聞いたか。」


・・・・・・。


「なぁ。」


とうに肩をポンポン叩かれ、やっと気付く。


「あぁ、久しぶり。変わりナイか。」


「この通り! で、どうした。何があった。」






剛も跳も山守に攫われたのち祝辺はふりべもりに攫われ被験者となる。継ぐ子じゃないのに継ぐ子として葬られ、霧雲山から出られなくなった。


真実を知ったのは死後。



二人を攫ったのは二十代、祝辺の守。名はそく。感情や能力など、形のないモノを増幅させる闇の力を生まれ持つ。


山守の民に矯正教育を施していたが、その能力を悪用した罪で収監中。






山守社やまもりのやしろの北に住みついた、山守の呪い種。」


「あぁ、知ってる。琴を弾きながら歌う小さいの。」


「ソレだな。」






その気になれば觸が放り込まれた、祝辺のひとやに忍び込める。そう考え近づこうとしたが、他のおにや木にはばまれてしまう。


觸は継ぐ子が持つ祝の力を変えずに大きくし、どこまで耐えられるか試した。その罪を獄の中で償っている。というコトになっているが、どうも違うらしい。






「気持ちは分かるが。」


「難しいか。」


「あの小さいの、森に守られている。とつ守も認め、見守っている闇だ。」


ゲッ。


「そんな顔するな。それはソウと剛、どちらの獄に忍び込もうとした。」


「どちらって、祝辺の獄は一つじゃ。」


祝社はふりのやしろがパッと見るより、ずっと大きいのは知っているな。」


「あぁ。」


「その下。人のときと隠の世の間にある細い裂け目に、隠の守が作った小さな獄があるらしい。」






十九代、祝辺の守。


とこは人の世と隠の世の間にある、僅かな切れ目を広げる力を生まれ持つ。霧雲山系を外敵から守るため、遮り断っているので社から出られない。



ちなみに獄を作ったのは十八代、祝辺の守。


かたいわを操る力を生まれ持ち、霧雲山系崩壊を防いでいるので社から出られない。



往も結も祝社から出られないダケ。


社の中なら好きに動き回れるし、ノンビリ過ごしていても差し支えない。だから仲良く織物をしたり、縫物をしたりして過ごしている。






「そんなトコロに入れられているなら、何をドウしたって入り込めないじゃナイか。」


「そう嘆くな。聞いた話だがいづれ、祝辺に強い力を持つ幼子おさなごが来る。その子は人だが使わしめを従えていて、觸をはらい清めるとか何とか。」


「それは、いつ。いつ現れる。」


「隠の守、タカとキヨにも分からないと聞いた。」


先見さきみの力を生まれ持つタカ、先読さきよみの力を生まれ持つキヨに分からない事だ。おのらに分かるワケがない。


「・・・・・・そうか。」


「言ってもドウにもナラナイが。」


「アレに壊され、失った力があればなぁ。」






觸の思いつきは多くの子を苦しめ、殺した。祝の力を壊され失い、生まれ育った地へ戻れた子も居るが少ない。


残りは死んでも囚われ、使い隠として働いている。


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