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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1382/1594

16-37 なるようになるさ♪


冥界行きを断り、タルシェに残って子孫を見守ると決めた亡者たち。今日もニコニコ、楽しく働いている。




「ホレホレ、もう少し。」


ヨチヨチ歩きの幼子おさなごを応援中。


い加減、諦めろ。」


タルシェ侵略を試みるつわもの一瞥いちべつ






タルシェに仕掛けても奪えないと理解するまで、周辺諸国の攻撃が続く。それを報告するのもタルシェ城、管理魔の仕事。



防禦ぼうぎょの才でタルシェを囲んでいるのだ。化け王の許可なく侵入できる生物など、この惑星には存在しない。


他の惑星には居るカモしれないが特質系、創造の才を持つカーは控え目に言って無敵。


歴代最強だからネ。






「うわぁ、広がる広がる。」


ワクワク、ドキドキ。


「はじめまして、ジロです。」


ニコリ。






隔離空間が広がったことで、ジロの視力も良くなった。


慣れとは恐ろしいモノで、分別されたアレコレに手を振ったり、学んだ内容を聞かせて楽しんでいる。ある意味、残酷。



遠くに並ぶのは、己と同じように瓶詰された『何か』。


声を張り上げても聞こえないだろうし、返事が返ってくる事もない。それでも気にせず笑顔で挨拶。






「人はね、他の生き物の命を頂いて生き長らえるんだ。だから精一杯、生きなければイケナイ。」


体から離れているケド、いつか戻れる。ここに納められているのは全て、人か人に近い生き物のアレコレ。


いくさってコワイよね。」


偉い人は前に出ず、安全な場所で守られている。


「死ぬのは断れず、戦に駆り出された民。」


死ぬと、殺されると解っていても断れない。


「真っ先に死ぬのもさ。」


ろくな教育も訓練も受けず、肉の壁にさせられる。






化け王は良い王だ。アンリエヌの民を、国を守るために全力を尽くしている。



初めは怖い、恐ろしいと思った。


だって体を奪われて、こんな場所に閉じ込められたんだよ。当然じゃん。でも今は、今の考えは違う。






「元の体に戻ったら多くの人を守れる、優しくて強い人になるんだ。」


そのために必要なのは腕力じゃない。


「ん?」


多少は戦えた方が良いよね。


「負けないぞ!」






瓶の中で披露している謎の踊りは、健康維持や筋力アップのための運動らしい。



たまにカーと話せるとはいえ、幽閉されているようなモノ。何かに話し掛けなければ、きっと発狂するだろう。


だから歌って踊って家族を、故郷を思い出す。






「いつかね、出会えるって信じている。」


えへっ。


「父さんと母さん、幼馴染おさななじみ。意識しはじめたのは、村を出てから。」


キャハッ。


「手が触れてドキッ。離れたくない、離れられない。」


ピピッ。いや、ビビッとだっけ?


「大人になるまで待つよ。って、あれ。もう十二になったのかな。確かめようと思ったのに、聞くの忘れた。」


・・・・・・ま、いっか。


「なるようになるさ♪」






何となく、ジロの性格が変わった気がする。


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