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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1379/1593

16-34 脅迫? とんでもない


ジロは育ち盛り。色気いろけより食い、花より団子。食べた事のない御馳走に釣られ俄然がぜん、張り切りだした。



食いしん坊?


美食家、しくは好奇心旺盛と言ってあげて。






「どうなっている。状況は、戦況は。」


僻地へきちの小国だが、歴戦の勇者を送った。


「それが、その。」


バンバン兵を送ったのに一人も、伝令使も戻らない。


「何だ! ハッキリ言え。」


嫌な予感しかシナイ。


「先遣隊もろとも、全滅したと思われます。」


臣下がサッと膝をつき、胸に手を当てて言い切った。


「ナッ。」






アンリエヌ国王が代替わりした、という話は聞かない。というコトは相当、老いているハズ。そんな年寄に、蛮夷ばんいに敗れたのか。


・・・・・・信じられない。が恐らく、認めたくないが事実なのだろう。


どうする。考えろ、どう動く。






「アンリエヌを囲め。」


イマ、ナント。


「国ごと、丸ごと囲むのだ。」


「・・・・・・お待ちください。」


ポカンとしていた臣の一人が叫ぶ。


「死にたいのか。」


王が剣を抜き、突きつけた。


「アンリエヌは高峰が聳え、氷河がある未開の地にある山国。氷雪に覆われた大山脈です。」


許可なく国境を越えると瞬時に消滅。骨どころか髪の毛一本、残りません。


「それをっ。」


剣先が肌に触れ、ツゥっと血が流れた。






今更、引けない。


長期にわたる戦闘で兵は疲弊。武具も兵糧も不足している。せめて鉄、銅でも良い。原料が有れば。






「申し上げます。」


文官が一人、息を切らせて駆け込んできた。


「戻ったか!」


残念、違います。


「アッ、アンリエヌから戻った使者が。」


真っ青だった顔色が白くなり、今にも倒れそう。


「何だ。」


「先日、処分された使者のふところに。」


と言って、血塗ちまみれの『何か』を差し出す。






抜刀したまま玉座の間に転移させられ、転移酔いでフラフラのまま串刺し。短い生涯を閉じた使者のむくろは王命により、広場ではりつけにされる事になった。



その懐に突っ込まれていたモノが落ち、拾い上げたのが新人文官。慌てて追いかけるも足がもつれ、派手に転んでひたいを強打。


報告を受けた上司、真っ青。






「ナッ、ナッ、何だコレは。」


内容は『迷惑料と慰謝料として大型船、十隻分の金を請求する。払えない場合、速やかにタルシェの領有権をアンリエヌに譲渡せよ』である。


「こんな要求、のめるかぁぁ。」


バタン。ピクッ、ピクピクピク。






ギリシア王、脳出血により崩御。


その事は伏せられ、代わりに『ギリシアがアンリエヌにタルシェの保護を申し込み、領有権を譲渡した』という話が広まった。


モチロン事実です。



消えた兵が流れるように洗浄、分別、格納される様を動画、それもカラー映像で見せられればプッツンしますヨ。



エッ、脅迫?


とんでもない。タルシェの領有権を差し出され、受け取ったダ・ケ。


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