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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1377/1594

16-32 何かの儀式か


アンリエヌは永世中立、武装中立の軍事国家。


他の如何いかなる国に対しても戦争を始めず、他の如何なる戦争に際しても中立を維持。






「コレだよ、コレ。」


格納庫から武具の一部を出し、ニコリ。


「鉄は再利用できるが、木や皮は燃やすしかない。」


ソウデスネ。


「材料費が高騰しているのか、年ごとに青銅の質が低下している。」


ナルホド、ナルホド。


「建築用金物、美術用品として輸出すれば問題ない。」


ソウカナ、ソウナノカナ。


「・・・・・・攻めてくるまで待つか?」


「ソレガ、ヨロシイカト。ん。」






待たされたのに色よい返事を貰えず、追い返された使者は引くフリをして抜刀。と同時にギリシアへ強制送還。


玉座の間に転移させられたのだが、生まれて初めての転移酔いでフラフラ。なぜ殺処分されたのか分からないまま、短い生涯を閉じた。






「いちニッさんシッ、にいニッさんシッ。さんニッさんシッ、よんニッさんシッ。」


腕を上げたり腰を振ったり、尻を突き出して踊るジロ。


「何かの儀式か。」


「エッ、違うよ。こうして体を動かせば、コリコリに凝った肩が軽くなるんだ。じゃなくて軽くなるんです。」


ニコリ。


「そうか。」


知らなかったよ。霊魂でも肩、凝るんだね。




気のせい、だろうか。格納空間が清らかで澄んでいるように思う。


「最近、ずっと向こうからドバドバッて音が聞こえます。あの音、何ですか。」


ワクワク、キュルン。


「聞こえるか。」


「はい。」




驚いた。回収と同時に分別し、格納する音が聞こえるとは。この子は確か狩人かりゅうどと、祝の子孫との間に生まれた子だったな。


狩人の血には祝とは違う、強く大きな力が混じっている。祝の方は鏡だろう。





「耳が良いな。」


「狩り人のせがれだからネ。」


ウフフ。




アンリエヌ語の他に、タルシェ語も読めるようになったヨ。次はラテン語とギリシア語を覚えて、いろんな本を読むんだ。


アンリエヌ語訳されたモノも良いけど、原書で読んでみたいんだ。ほら、訳者によって解釈が違うでしょう?




「アンリエヌで文官を」


「嫌だ! やまとに帰る。アッ。」


大王の言葉をさえぎったジロ、真っ青。


「気にするな。」


「ハイッ。」




化け王はアンリエヌの国王で、はじまりの一族。才を持っている唯一の王族。とっても偉いんだ。


そんな人?がドウして、やまと。霧雲山の統べる地の南を見守っているんだろう。いつか聞いてみたいケド、聞いちゃイケナイ気もする。



乱雲山しか知らないケド、霧雲山には祝辺の守ってコワイ隠がウジャウジャ居るって聞いた。強い力を持つ子を攫って、祝社の継ぐ子にするんだって。コワイよね。


化け王は命の恩人、恩王? 感謝してマス。


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