表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1376/1596

16-31 楽しそうだ


叶うなら、私と同じ苦しみを味わわせたくない。けれど将来、収集の才だけではアンリエヌを守り切れなくなる。


そうなる前に動かなければ。






「♪手を上げフリフリ、もう一方もフリフリ。お尻フリフリ、膝を曲げピョォン♪」


座学に飽きたジロが瓶の中で、歌いながら奇妙な踊りを披露。


「♪足をプラプラ、もう一方もプラプラ。腰をクルクル回してピョォン♪」


二番もあった。


「♪首をコキコキ、上を向いたら舌だしてベェ。お目目パチパチ、お手手パチパチ、足はパチパチできないピョーン♪」


元気で何より。






アンリエヌは山国。


深奥にあり獣、特に熊が多く足場も悪い。ほんの少しでも気を抜けば、アッと言う間に谷底へ真っ逆さま。




「また来た。」


化け王城内にある執務室で、思わず頭をかかえる。


「ローマはシチリア領有を巡って、フェニキアと交戦中だろう。」


両軍ともギリギリで、より強いつわものを求めているとか。


「少ない兵糧、歴史を感じさせる武器。」


これでアンリエヌを落とせると、本気で考えているのか? あの二国は。






時間停止機能付き無限格納庫を創造したが、このままでは消費しきれない。この惑星から動物が絶滅しても、数万年は困らないだろう。


まぁ、そうなる前に拠点を作るがな。



一から作るのは面倒だ。アンリエヌを丸ごと、球体に取り込もう。適当な惑星に移住するより、上空に浮かべた方が良い。






「マドワイアが動く前に、取るか。」


タルシェを。






マドワイア王国はギリシア人によって、ギリシアとペルシアの中間に建国。


都市国家を形成せず『異民族』として扱われたからか、この度の戦争でペルシア側についた。が、今も親ギリシア姿勢を崩さない。



タルシェが大戦に巻き込まれる前に、合法的かつ速やかに領有権を取得。領海を定め、アンリエヌの飛び地であると通告。領空侵犯は無かろう。


領海侵犯すれば沈没させ、自然保護条例違反とでも言って巻き上げる。






釣餌つりえには、そうだな。」


回収した武具、いや青銅にしよう。美術品や工芸品の原料として輸出するなら、怪しまれずに在庫処分可能。


「ヨシッ。」






同盟は結ばなかったが、アンリエヌはタルシェと交易していた。


豊かで美しく、平和な国だったよ。津波さえ起こらなければ再建できたろうに。



民の中には条件付きで受け入れた、タルシェ民族の末裔もいる。先祖の故郷に戻りたいと願う者も居ろう。


遺跡を保護しながら環境を整え、戻る者を募れば良い。






トントン。


「失礼します。ギリシアからの使者が、こちらを。援軍要請です。」


ローマに潜入させていた兵が、アンリエヌの偽情報を仕入れたのだろう。


「ネージュ。」


「はい。」


キリッ


「アンリエヌは動かん。がな、タルシェの領有権と引き換えに青銅をやろう。」


パチクリ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ