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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1363/1594

16-18 祝の力とは違う『何か』


大実社おおみのやしろは人のときおにの世を繋ぐ道の管理を、大蛇社おろちのやしろから任されている。


入口は社。人の世は大実神おおみのかみ、隠の世はオミの担当。






「ゴロゴロさま、お久しぶりです。」


オミは大実神に忠誠を誓うやまいぬ。隠の世、良山よいやまの自治会副会長も務めている。


「お久しぶりです、オミさま。」


大実山に幾つも村があった時、出雲で日向ひなたぼっこした仲だ。種族の違いナンテ些細な事。






ブランさまが乱雲山、それも隠の世の近くに現れ為さった。見守っていたのは、生まれた時に光った人の子。


きっと何か、強い力を持っている。そう思われていたのに違ったと。



いいや、違う。その子には人の世には無い、大きな力が隠されている。その力をアンリエヌ国、化け王が望まれた?


とすれば代替わり。






「申し上げます。大蛇社から使いが、言伝ことづてを預かって戻りました。『大実社から和山社なぎのやまのやしろへ』と。」


良村よいむらではなく、大実社から来い。というコトですネ。


「ありがとうございます。」


良村は犬に守られている。加えて村人の多くは、ニャンコよりワンコが好き。


「では、こちらへ。」






大実社から隠の世に入り、送迎用の輿こしに乗って和山なぎのやまを目指す。人の世の良山も豊かだが、隠の世の良山も負けてイナイ。


見渡す限りキラッキラ。






「コリコリに凝った肩が軽くなった。」


よかったね。


「毛並みも良くなった?」


パサついて傷んでいた毛が何となく、ツヤツヤになった気がする。


「これもマルさまの御力か。」


違います。


めぐし子にもイロイロ、いるんだなぁ。」


まぁね。






「ブラン様は何と。」


ツヤツヤしていたゴロゴロの毛並みが、アッと言う間にパサパサに戻りました。


「言の葉を残されず、御姿を消されました。」


嘘じゃないよ。


「そうか。」


疑っているワケではアリマセン。






収集の才を生まれ持つカーは、同族から才を奪い尽くした化け王。はじまりの一族で唯一、才を持つ存在。


才を奪われた者は皆、吸血鬼化。その大半は落命し現在、旧王城地下にて服役中。つまり全ての才を奪い、集めた化け王は無敵。



王位を大王から奪い、玉座を化け王城へ移したカー王は永世中立を宣言。守りを強化すると同時に食料自給率を上げ、科学技術の推進を図る。


その結果、驚くほど豊かになった。



豊かになれば妬まれ、強国や戦闘狂に狙われるモノ。けれど要塞化したので攻められても、「食料が集まった」としか思わない。


その気になれば惑星をも滅ぼす力を有しているから。






「御考えを変えられたのか。」


大蛇神が呟かれ、蜷局とぐろを巻かれる。


「人の子、ジロだったか。祝の力とは違う『何か』を持って生まれたのは。」


はじまりの隠神に問われたニャンコ、シャキン。


「はい。稲田の狩り人、ジロの孫コウ。稲田に逃げ込んだ祝の血を引くツウ。その間に生まれた初めの子です。」


あぁ、ジロの孫の子か。




祝辺はふりべもりが知ったら動くだろう。人の守に、と言って。


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