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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新天地編
1362/1595

16-17 何が可笑しい


アンリエヌは大陸西部、中央に位置する強国。


『はじまりの一族』は『はじまりのおに神』より先に現れた。その王が治める国が他より劣っているワケが無い。






「何が可笑おかしい。」


ブランを見たダケで動けなくなった小物が問う。


「迎えが来たようだ。」


右から左へ受け流し、姿を消した。






残された小物は崩れるように倒れ、ユックリと起き上がる。


時間を掛けた理由は一つ。決して逆らってはイケナイ、背を向けたら終わり。そんなのがスッと現れ、ニッコリと微笑んだから。






「ごっ、ゴロゴロさま。」


雲井神くもいのかみの使わしめ、ゴロゴロ参上。


「言い残した事は。」


猫又に問われ、小物が分かり易く怯える。


「ありましぇん。」


ガクガク、ブルブル。






雲井社くもいのやしろの屋根で日向ひなたぼっこをしていた。


気持ちよく微睡まどろんでいたのだが、二本の尾が気配を察知。ピョンと飛び降りタッタと駆け、現場に急行。






「食おうとしたのか。」


少し先で項垂うなだれているジロを見つけ、低い声で問うニャンコ。その目は冷たい。


「はい。いいえ、違います。」


慌てて言い直し、ニッと笑う。


「何が違うのかハッキリと、短くまとめて言え。」






ジロがブランさまに、いや違う。化け王が探し求める『何か』をジロが、コウとツウのせがれが持っている。


だから御姿を消し、見守っておられたのだ。






「コン、頼む。」


「狐づかい、荒いなぁ。」


と言いながらモフンと参上。


「あぁ、行っちゃった。」


と言いながら小物をあぶり、縛ってから深呼吸。


「クラ。コチラのひとやより、ソチラの獄がよかろう。」


「そうですね。」


雲井社の禰宜ねぎ、クラが微笑む。






急ぎ雲井神、大蛇神おろちのかみにも御知らせせねば困った事になる。小物の事はコンとクラに、和山社なぎのやまのやしろへの先触れをキラに任せよう。



・・・・・・行きたくない。


怖い、恐ろしいよ。でも良山よいやま良村よいむらに行かなければ守れないんだ。胸を張れ。






「イザとなれば目を潤ませ?」


犬を飼っておられるマルさまに、猫のキュルンは通じるのか。


「えぇい、迷うなゴロゴロ。」






和山社は隠のとき、和山のいただきに。大蛇社は人の世、良村の中に在る。


二社は大蛇神の御力で繋がっており、先触れを出して許されば通される。のだが、ゴロゴロが選んだのは大実社おおみのやしろ



大実社は良山の中にある石積みの社。人の世と隠の世を繋ぐ道の管理を大蛇神から任されており、とても清らで過ごし易い。


朝夕、清められているのでピッカピカ。






「ごめんください。」


キチンとお座りして、ニッコリにこにこ。


「はい、ただいま。」






良山は昔、大実山と呼ばれていた。夏の暑い日でなければ凍えてしまうので、一人残らず山を下りてしまう。


大実神おおみのかみが小石ほどの大きさに御なり遊ばした時、早稲から引っ越してきたのがシゲたち。


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