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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1345/1450

15-63 決死の覚悟で


サミは琅邪ろうやの闇に気付くも、卑呼ひこ姉弟の願いが穏やかに暮らす事と知り、黙って立ち去った。




「琅邪から離れれば、それだけ。」


とはいえ、民の顔は明るい。おにたちも穏やかだ。


「荒れて、いたのだろうな。」


せがれはシッカリしていたが、孫は違った。いくさ好きは生まれつき。アチコチに仕掛け、その命を散らしたと聞く。


「民が幸せなら、それで良い。」


今の儺国王なのくにのきみは鬼。倅の、孫の血も絶えた。これからも鬼が人のときで、その力をふるうのだろうよ。




生き神。人に望まれている間は、その地を守って栄えさせる。


卑呼姉弟が何を隠しているのか、さっぱり分からない。けれどソレは人を、琅邪にも悪い事では無いのだろう。纏う闇が輝いていた。



儺升粒なしょぶあやうい。


このまま死んで鬼になれば、姉弟と共に居れば琅邪を守る力になる。けれど人の世に残されたり、突き放されれば闇堕ち。




「いいや、あの目。」


姉弟と離れても、はらい清められるまでとどまるだろう。琅邪を守るために。


「ココ。」


乱雲山で、なごみで幸せに暮らしておくれ。会えなくても、ずっと遠くから願っているよ。






サミによる儺の見張りは続くが、琅邪に仕掛けようとした村や国が滅びた結果、しづめ西国にしくにに平和が訪れた。


十王が力を合わせて悪の芽を刈り取っているのだが、その方法は苛烈。



送りつけられた不用品は二週間、保管してから処分。不法滞在者は拘束し、ひたいほほなど目立つ場所に入墨いれずみしてから強制送還。


再入国を試みても、それが成功しても一目で判る。




「✕□※△!」


「サッパリ分からん。」


シュパッ。


「〇△□▽※!」


「何を言っている。」


ブスリ。


「※✕□!」


うるさい。」


プッシュゥ。






鎮の西国、中の西国でも入墨は罪人のしるし。見つけ次第、処分対象。


強制送還するのは一度だけ。入墨があれば問答無用で殺処分され、そのむくろは大穴に投げ込まれて焼却。


余罪があれば去勢して、生きたまま獣に食わせる。



一匹でたら百匹いると思え。と言われる群集性が強く、群衆密度が高くなるホド成長速度が速く、害虫度合が強くなる黒いカサカサと同じなのだ。


発見次第駆除しなければ、アッと言う間に魔窟と化す。






「懲りないよねぇ。」


吉舎きさあきれ顔。


「そっ、その通り。」


九王が声を揃える。




儺国なのくにに、儺国王ににらまれたらオシマイ。いつからか、そう思われるようになっていた。勿論もちろん、吉舎は何もしない。動くのは卑呼姉弟。


ある意味、最強。




「ん、食べないの?」


十王のつどいだ。それぞれ特産品を持ち込み、感想や意見を聞く。


儺からはサバの燻製くんせいを持ってきましたヨ。


「イタダキマス。」


九王、決死の覚悟でガブリ。


美味おいしい。」


食べ物に紫煙むらさきけむりは使いません!



西国統一編でした。新天地編に続きます。お楽しみに!

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