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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1340/1594

15-58 また来たのね


兎に睨まれたら、やまとで生きてゆけない。


ひょうでの平和で幸せな生活を守るためだ。怖くても恐ろしくても、逃げたくても逃げずに任務を遂行する。それが瓢のおさぬらりに課せられた使命!



負けるな滑、たたかえ滑。大陸で味わった、思い出したダケで血尿けつにょうが出るアレコレに比べれば、楽なモンじゃナイか。






「ミチ姉さん、瓢から使いが来たよ。『琅邪女王ろうやのめのうに、お伝えたい事があります』だって。」


「あら、そうなの。」


琅邪女王神ろうやのめのうのかみではなく、琅邪女王に。となると。


儺国なのくにの事かな。」


「イオもソウ思う?」




姉弟は思った。出雲とは違うドコかで、何かが動き出したと。狙いは琅邪ろうやではナク儺国で、これからも続くのだろう。




「会うわ。儺升粒なしょぶには琅邪大王ろうやのおおきみとして、たちに居るように伝えてね。」


「わかった。」




鬼になってイロイロ変わった。これから先の事が見えるようになったし、離れていてもアレコレ出来るようになった。


考えてみればオソロシイ事よね。



中つ国には人のときおにの世、二つが隣り合っている。そう聞かされて思ったわ。隠の世は人の世を動かす気も、救う気も無いんだと。




「・・・・・・ハァ。」


いつか隠の世へ移り住むでしょう。その時、追い出されないように努めなければ。


卑呼女ひこめさま。やしろの離れで休ませていた子が、目を覚ましました。」


継ぐ子がトコトコやってきて、ペコリと頭を下げてから伝える。


「ありがとう。今、行くわ。」


「はい。」




琅邪にはアチコチから、やまいいやしてほしいと人が押し寄せる。


軽い病なら癒せるが、重い病はドウにもナラナイ。それでも子なら、ジックリ時を掛けて流れを整える事にしている。



長く生きられなくても、痛みや苦しみを軽くする事は出来る。穏やかな顔で眠るように死ねば、残された者も救われる。そう信じて。




「また来たのね。」


琅邪の外れに、アヤシイ動きをするのが近づいた。


「フッ。」


鼻で笑って力をふるい、一人の血流を止めた。


ドタッと倒れ、苦しみながら息絶えるソレを見て逃げ出す破落戸ごろつきたち。


「逃がさないわよ。」


纏めて処分し、素っ裸にしてから飛ばした。


むくろを海へ投げ込めばオシマイ。




分狐わけぎつねたち。」


「はい、琅邪女王神。」


「琅邪の外れにヒトデナシのころもがあるわ。いろいろ持ち込んだようだから、気を付けてね。」


「ハイッ。行ってきます。」


モフン。






琅邪に持ち込まれたのは、泉に入れれば飲めなくなる毒。取り除けない強い毒だった。



「まだ狙われているのね。」


「姉さん。」


「イオ、そんな顔しないで。力を合わせて穏やかで、なごやかな暮らしを守りましょう。」


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