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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1339/1598

15-57 一本くらい


いろいろさっしたぬらりは急ぎ、ひょうたみを集めて箝口令かんこうれいを敷く。



命からがら海を渡り、亡命した妖怪の町だ。民は全て元、大陸妖怪。おには居ない。


そんな町に隠が、特命を受けた隠が転居してきたのだ。当然だろう。






儺国なのくにと言えば、アレだろう。」


「あぁ。アレがアレして、あぁなった。」


「おっ、オソロシイ。」




儺国の一つ、琅邪ろうやが儺国を取り込んだ。


小国が大国を内から壊し、送り込んだ王は小鬼。生き神となった琅邪女王ろうやのめのう王弟おおとに忠誠を誓うのは吉舎きさ一鬼だけでは無い。




琅邪大王ろうやのおおきみ、半鬼だろう?」


「らしいな。」


「死んだら鬼になるって聞いた。」




儺升粒なしょぶは日に日に力を増し、同時に複数人の思考を操作している。このままだといづれ。




「そんなのが鬼になったら。」


「どうなるんだ。」


「コワイ。」


「オソロシイ。」


「泣く。」




瓢の民、揃ってガクガクぶるぶる。


琅邪に睨まれたら終わり。サミに睨まれても終わり、なのに転居してきたのだ。正直なトコロ、お近づきになりたくナイ。




「こんにちは。」


ヒッ!


「良い日和ひよりですね。」


ニコリ。


「ソうデスね。」


嫌われたら終わりだ、笑え。笑うんだ、オレ。


「隠のとき空霧うつおぎりから瓢に移り住みました。隠のサミです。よろしくお願いします。」


ニコッ。




読めない! この男、何を考えている。あぁ、そうだ。元、儺国王だもんな。うふふ、あはは。




「こちら、葡萄ぶどうの酒です。」


こっ、コレは幻の銘酒めいしゅゆきさくら』ではナイか! どうしよう。とっても嬉しい。


「困った時は、いつでも頼ってください。」


大陸妖怪じゃなくてもメロメロになるヨ。




幸さくらはアンリエヌ国、化け王にも献上された銘酒。それをポンと贈った相手は瓢のおさ、滑と愉快な仲間たち。離れたトコロに建っている隣家。




「・・・・・・一本くらい。」


むね、思わず生唾をゴクリ。


「滑さま。うっ、兎サマに献上した方が。」


げんも、思わずゴクリ。


「やまと、ではな。三は満つ。」


滑も釣られて、ゴクリ。






話し合いの結果、一本は毒見。残り二本を献上する事に。


味わいましたよ、ジックリと。涙が出るほど美味おいしかった。



報告を受けた大国主神おおくにぬしのかみ、使わしめをチラ見。ニッコリ微笑まれ、丸投げ為さった。


稻羽いなばも慣れたモノ。ソソクサとイロイロ整え、滑に命じた。






「私が琅邪へ?」


嫌だ! 行きたくない。


琅邪女王神ろうやのめのうのかみではナク、琅邪女王に伝えよ。『儺国が見張られている』と。」


「・・・・・・おおせのままに。」


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