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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1331/1596

15-49 犬じゃなくても憧れマス


しづめ西国にしくにから戻ったコンコンず、疲れた体にむち打っておにとき和山社なぎのやまのやしろへ。




「そうか。」


うなる蛇神、見合うコンコン。


「よく働いてくれた。」


ぱぁぁ。


流山ながれやまに戻り、ゆっくり休みなさい。」


・・・・・・えっ。




ま、マルさま! 良山よいやまでナデナデして下さいますよね。狐の頭を優しく撫でて、ありがとうって。


ほら、耳だって倒せます。撫で易いように。




「そうそう、」


ぱぁぁ。


一山いちのやまに行くと良い。で湯にかって疲れを癒しなさい。」


それも良いかも。って違う! いま欲しいのはナデナデです。狐だって撫でられたい。


「そういえば。」


ぱぁぁ。


白夜間はやま雪花きよはるが『会いたい』と言っていたな。」


オス狐に用は無い。


「そうねるな。」


拗ねてナイもん。


「マルも会いたがっている。一度ひとたび、良山に寄れ。」


「ハイッ。」


喜んで!






使い狐から報告を受けた大蛇神おろちのかみ、猫神と夜叉神よさのかみの元へ蛇を遣わす。


同じ頃、コンコンず。マルに撫でられてから出で湯に浸かり、優しくブラッシングされ御満悦。



良村よいむらには犬用の出で湯に産屋うぶや、飼育場、運動場、療養所まで完備。


朝夕、飼い主と共に山歩き。木の枝ポーンで楽しく遊び、村に戻れば優しく洗われ、美味おいしいゴバンに舌鼓を打つ。


犬じゃなくても憧れマス。






「困った。」


猫神、お手上げ。


「困りましたね。」


夜叉神、ゲッソリ。






真中まなか七国ななくに、中の西国、鎮の西国にも妖怪の国守が居た。けれどいくさが続き、根回ししてから隠の世へ。


やっと収まったのでチラホラ、顔を出す妖怪が増えている。



鎮の西国にも居たが、その多くが出ようとシナイ。人の世で、それはもう嫌な事があったから。守りたい誰かは根の国へ。


孫の孫とか、その孫と言われてもピンとこないモノ。






「鎮の西国、儺国にゆかりがある隠。」


「国を見張る力を持ち、こちらに付く隠。」






儺国に縁のある隠、妖怪は多い。けれど国を見張るとか、すべて告げ報せるとか、そんな事が出来る者が居るのだろうか。


居ても人の世に戻り、鬼が治める国で見聞きした全てを隠の世に。そう考えるとは思えない。



なら根の国に?


根の国から中つ国に戻れるのは、それが許されるのは一年ひととせに一度。ずっと、となるとアチコチ回ってアレコレ伝える事になる。


見つかったとしても、きっと戻りたがらない。ほんの少しでも思いを残していたら、隠の世から見守る事を選ぶから。






「・・・・・・そういえば。」


夜叉神が御顔を上げ、腕組み為さった。


「何か、思い出されましたか。」


猫神がつきを置き、問い為さる。


「ウチに儺国王なのくにのきみだった男が、耶万やまに奪われた妹を探して訪ねて来ました。」


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