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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1323/1595

15-41 処分完了


大量に押し寄せた移民、全てを琅邪ろうやで受け入れる事は出来ない。だから周辺の里や村と話し合い、の国を落とすまで預かってもらった。



いくさ、戦で人が減り、荒れ果てた地に手を入れる。ボロ家を住めるようにして、男女を別けて寝起きしてもらう。


家族単位で暮らせれば良いが、アチコチばらけると守り切れない。






「こんなモンかな。」


イオから渡された溶液を使い切ったので、大穴を掘ってポイポイ放り込む。


「離れないと飛んでくるよ。」


と言って直ぐ、大岩を投げた。






大穴の底に転がされたつわものは、手足をがれたダケで生きていた。逃げたくても逃げられない。グシャッと潰され、物凄い勢いで立ちのぼる。


ザァっと降った赤い雨に打たれ、発狂する大陸兵。次はおのだと怯え、失禁する者も。






「殺す気で来んでしょう? 殺されるって、死ぬって解るよね。」


「△✕□!」


「ナニ言ってんの。」






命乞いする大陸兵を一瞥いちべつし、ドカンと大穴を掘る。残っていた腕や足を掴み、淡淡たんたんと叩き込む吉舎きさ


その表情は妙になまめかしく、異質だった。






「殺しに来るなら殺されるって、心にきざんで来るモンでしょう。」


「※□#!」


「だからさ、ナニ言ってんの。」






吉舎には大陸語が分からない。兵たちも通じないと気付いているが、叫ばずにイラレナイ。『助けて』『死にたくない』と。



儺国なのくには広い。


狙いを定めたのは琅邪だが、他の港にも入っていた。あわよくば奪えるカモしれない。そう思ったのに、上陸と同時に処刑待ち。






「片付けるの、疲れるんだよね。」


投げ込んだ岩を持ち上げ、他の穴に投げ込む。


「もう来ないでよ。」


大穴の底に残るのは、砕けた人骨と血溜まり。ソコにボンボン放り込み、大岩を投げる。






大陸兵の処分が完了したのは、第一軍が上陸した三週間後。危険な実験を短期間に繰り返したことで、琅邪の医学と薬学は飛躍的に向上。


持ち込まれた品は全て再利用され、農具の質もグッと良くなった。荒れる前は田や畑だったので、石を退かせばサクサク耕せる。






「お助け、くだ、さい。」


紫煙むらさきけむりを吸わされ、大陸に戻された兵が訴える。


「死にたくない。」


紫黒の肌や唇から発生する腐臭を嗅げば、不用意に近づけば命を奪う猛毒。


「生きたいよ。」


その願いは叶わず、不幸を招く。






大陸の武器商人は逃げた。逃げた先で変死し、そのむくろから紫煙が発生。多くの犠牲を出す。その知らせはアッと言う間に広まり、生きたまま焼却処分。


世代交代が進んだ。






「そろそろ、かな。」


吉舎が微笑む。


「集まるなら焼山やけやまに。」


「うん、そうする。ありがとう、夜飛やと。」


「どういたしまして。」


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